グラフィック・メディスン、という考え方が日本でも浸透してきています。 簡単に言うと、「漫画で医療をわかりやすく」という世界(イギリスが発祥)の大きな流れです。 2017年から日本でも開催されており、代表理事の方から教えてもらい、私自身も賛同しています。 細かなことは医療のニュースサイトやTV、新聞、研究会で知ることはできますが、世界の大きな流れを知ることも大事だと思っています。

高知という土地は日本からみたらやはり田舎、となると思います。 医療においても京都日赤での研修の最初に習ったことが、その10年後に香川の四国こどもとおとなの医療センターでは浸透していなかったりしていました。 「危機管理」という分野では、非常に医療の分野では遅れをとっていると、医療以外の分野でもおもわせられることがあります。 米国では留学中、USBを使うことを禁止されていました。 ウイルスの問題や、labo(研究室)の研究分野の持ち出しや拡散を防ぐための当たり前の行為でした(こういった行為、私はいいものは全て取り入れています)

当院は高知の一町医者ではありますが、常に中央とつながりをもちつつ、私自身の考えも「昔ながらの医療」のいいところと、「現在あるべき医療行為」をミックスさせた診療をしていきたいと思って、4年目を迎えたいと思っています。

感染症専門医のセミナーにいってきました。 非常にわかりやすい内容だったので、紹介したいと思います。

薬の耐性化に関しては、ウイルスは1週間もすれば体からなくなるので、「ゾフルーザ」の耐性化を叫ぶのはかなりナンセンス、ということです。 細菌は抗生物質に対していろんなことを自分で考えてその耐性は30年の頃かもしれない、ということです。 全く違うことです。

インフルエンザのRNAのゾフルーザに耐性があるものがあるとしても、それはかなり少なく(イソロイシン38の変異です)、症状をとる、ということでは他の薬との使い分けが重要だと感じました。

私はインフルエンザに関して「勝手に治るから自分の家で寝てた方がいい」という立場はとりません。

患者さんは症状を取って欲しいので病院にきているのです。 少しでも症状をとって楽にしてあげるのがいい、と思っています(ただアマンタジンはつかいませんし、使ったこともありません)

ちなみに、2mの距離があり、カーテンがなされ、介護・看護する方が衛生に気をつければ、基本的には入院の4人部屋でも大丈夫だそうです。

この3年間、多くの人に支えられて、診療所も進化したと思います。

地域性を重要視し、「心臓リハビリをする循環器だけのクリニック」 よりも、

抗生剤を適切に(英文で論文化しています、地域の抗生剤の体制化についてです)処方できるようにして、地域の人が、保険診療で栄養指導を受けれるようにして、外来でインスリン導入ができ、内視鏡検査、心臓だけでなく腹部や甲状腺のエコー検査をできるように「がんをおろそかにしない、専門的循環器診療」をスローガンとして、内科全般を診えるクリニックとして、開院をしました。

それが、まずは一宮地域の方には重要と判断したからです。 思い返せば、当初は「心臓リハビリ」のクリニックに、と思っていましたが、そんなことよりも重要なことをしなければ、と思い、糖尿病内科を標榜している無床診療所でも正規雇用していない「管理栄養士」を常勤としました。 心臓リハビリは、その後でも構わない、という判断は正しかったと思います。 何か「だけ」に特化した「内科系」診療所などは「意味がない」とすら私は思います。 もちろん、専門性をもつことは重要ですが(その専門も縹緲の詐欺のようなところもありますが)、幅広く疾患をみることが重要と思いました。

循環器内科医は、腹痛に弱い(医師によっては断る人もいます、ちょっと私には信じられません)、ということを実感していたので、「元」消化器内科医、で、循環器内科医として働いていた頃も消化器内科、糖尿病内科、呼吸器内科、血液内科、整形外科、放射線の読影なども研鑽していました。 開業することがわかっていたので、人の倍(もちろん3倍、4倍働く人もいました)働くことが重要と思って実地診療の経験、断らない救急医療、臨床研究をしながら、専門の心臓エコー図検査(その他のエコーについても専門医の資格をもっています)、県の医師では唯一の心臓リハビリテーション学会の評議員(医師の「心臓リハビリテーション指導士」は意味のない資格です、飾りのことが多いので、本当の経験士なのか、見学士なのかをはっきりさせないといけない、という風潮になっています)をしてきたり、資格(肩書き)をもっていることは重要だと思っています。
今後も、だらだらと診療だけをするのではなく、論文を英文で必ず書くことを己に課し、現在も医学専門書の執筆などを通して、専門分野は開業医としても腕が落ちないように、むしろ毎年進化していくようにし、それ以外の内科分野も学会・研究会の出席や、論文執筆(をすることで、最新の知識を英文で読むことになります)などで、地域の方に最高水準の治療を、という思いで、進化し続ける診療所作りをしていきたいと思っています。

9/2が月曜日になりますので、4年目はその日からになります。 かかりつけ医、は地域のニーズにあってないと存在価値はない、と思っています。 循環器疾患ばかりをみているのは医師として楽でしょう。 ただ、腹痛やがんの検査、がんを見つけて治療後の経過観察ができないのであれば、「かかりつけ医」を名乗れないのでは? 名乗っていいのか? と私は思っています。 「ここにあってよかった」と思われる診療所になるように、私自身努力してまいりますし、スタッフ一同患者様のことを考えていけるような、アットホームな診療所にしていけるようにと思っています。

9/2から4年目となりますが、今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

高血圧などで来院された方のなかには、「飲み出したら一生になるから嫌だ」という方もおられます。

最もな意見だと思います。 一生なにかをし続けないといけない、というのは非常にストレスだと、私が逆の立場なら思うからです。

よって当院では開院当時から、そういったかたには私が書いた紙をお渡しして説明しています。

① 今は薬は必要ありませんが、食事を変えて血圧を自宅で測定して、今後の治療計画を考えましょう。

② 今は内服薬が必要です。 ただ、今後は生活習慣を変えて中止や減量もできると思います。

③ 今すぐに内服が必要です。 今後も完全な中止は難しいと思いますが、減量など微調節をしていきましょう。

④ 絶対に飲み続けないといけない薬があります。 それ以外の薬は中止や減量が可能かもしれません。

という4つの内容を説明させていただいています。

高血圧以外についても上記は当てはまります。 血圧が高くていいことは一つもありません。

「降圧(血圧を下げること)に勝る、臓器保護なし」という格言もあります。

私は薬屋ではありませんので、薬は少ない方がいいと思って治療しています。

疑問に思うことがありましたら、なんでもかまいません。

 

例えば、利尿剤の調節をしたり、胸痛があったりした場合、以前の心エコー検査と比べるために、コストをとらずにエコー検査をするようにしています。 非常に重要だと私は思っています。

コストなし、の心エコーは、Limited POCUS Echocardiographyとして、コストあり、の心エコー検査と違い(同じ検査内容をすることもありますが)、その方の症状に合わせた(Limited)内容を検査するようにしています。

ちなみに、私は超音波専門医なので、Limitedという表現になるのですが、専門でない医師は、focused という表現(カルテ記載)になります。

少し、専門的なことですが、専門医と専門でない医師がとるエコー検査が「違う」ということを知っておいたほうがいいと思っています。