少しだけ浮腫みがある、ということなら、ほとんどが、塩分過剰摂取、足を下にしたままの姿勢で仕事などをしている、足の筋肉が弱く汲み上げれない、お腹が出ている人は腹圧が高く足の血液が心臓に到達しにくい、などです。 対処法は、塩分を過剰に摂取しない、仕事中などに立ってかかと上げなどの足の筋肉を収縮させる、弾性ストッキングを履く、痩せる、ことです。

しかし、以前より明らかに浮腫みがひどくなって来た、また足がテカテカになるほど浮腫んでいる場合は病的な浮腫です。

何を考えるか? 心臓、腎臓、肝臓、甲状腺、腹腔内の悪性疾患(があって静脈を圧迫している)、下肢自体の問題です。

腎臓は顔も浮腫むことが多く、肝臓の場合は黄疸といって体が黄色くなることが多く、甲状腺は脈が早くなっており、腹腔内の悪性疾患などの場合は全身が痩せていることが多く、下肢自体の場合は頻度が非常に少ない、ということから、まずは心臓から調べることになります。

ここで、医療関係者は「サードスペース」という言葉を知らない人はいないと思います。 間質に水が溜まる、というときに、その間質=サードスペースというわけです。 では、ファーストスペースとは? セカンドスペースとは? はあまり知られていないことだと思います。 循環器専門医なら知っていて当たり前ですが。 ファーストスペースとは細胞内のことで、浮腫みで大事なのは、セカンドスペース、血管内の血液量です。 これを心臓超音波のときにみます。

私は、アメリカ心臓病学会の3段階評価も大事だと思いますし、なによりも、静脈の呼吸性変動といって、息をするときに静脈の大きさが変わるかどうかを評価しています。 まったくセカンドスペースに血流量が少ない場合は心臓疾患ではない可能性が高い、と考えますが、心臓自体の機能も大事なので、一概に言えないので、総合的な診療が大事なのです。

多い時で、月に10.000端末(一人がスマホとPCから見ていたらそれは別と見なされますが)、少ない時で4.000端末から見ていただいていることが毎月わかるため、間違ったことはかけないな、と思うと同時に役に立つ情報を発信しないと意味もないな、と思っています。 あとは読んで面白いかどうか、だと私は思っています。 市の役人の講義は(本当に)つまらないけども、医者のつくった学会は喋り方に抑揚があり、眠たくならない、というのに似ています。
さて、医者の知識をもって、私が患者側になったときシリーズですが、例えば「高い高血圧をそのままにされたくない」です。
ただ、血圧は140以上ないとダメだ、そう週刊誌に書いていた、という患者さんもいます。 そういうケースは非常に困るのですが、高血圧でいいことなど一つもないことを知るにはどうしたら? と夜考えることもあります。 1日救急体験、などどうでしょうか? 高血圧が原因で心不全、脳出血、脳梗塞 などをみると、自分だけの話ではない、と実感できるのではないのでしょうか? 胃カメラもそうです。 ピロリ菌除菌後胃では年間1-2%の確率で胃がんができています。 なので1年に1回の胃カメラが推奨されており、同時に食道がんも見つかることもある検査です(バリウムで調べる気に医者ならならないはずです)
私も除菌後胃なので、1年に1回胃カメラをしてらわないと不安で仕方がありません。 さらに大腸がん検診で、2回中1回でも陽性がでたら大腸カメラか大腸CTをうけるべきです。 今大腸ガンの罹患率が非常に高い、という事実を知っていたり、大腸カメラをしていたものからみると、この時点でポリープを除けておいたらあと1年は安心だ、というところで寿命が相当伸びます。 乳がんはマンモグラフィだけではだめです。 そのマンモグラフィをもとにして、エコー検査をするのです。 エコー検査だけでも見逃しがあると思います。 検診などで、大丈夫、と書かれているのは、撮れた画像の範囲で、という意味です。 人間明日は誰も何が起こるかわかりませんが、早期発見で対処できるのにそれをしないことが、自分だけでなく、周りの人も不幸にする、ということも医師として体験してきました。 医師が言えることも、限りがあり、強制力などありません。 私が元教授などなら、いいのかもしれませんね。 説得力があるかもしれませんが、教授になるためには、ある分野、とくに基礎研究で、臨床ではないことに特化しないとなれません。 総合的に臨床で、夜も寝ずに救急に従事したら教授になれず、特化したことをしていたら教授や研究者にはなれる可能性が高いけども、自分が視える範囲が相当狭まる、ということです。

目の瞳孔が、心臓の収縮期(心臓が血液を拍出する時)に小さくなり、拡張期(心臓が大きくなる時、広がって血液を貯める時)に大きくなる「身体所見で」です。

これは、「大動脈弁逆流症」が高度なときにでる所見です。
一般のひとでも、瞳孔を鏡でみると心臓の拍動にあわせて、小さくなったり大きくなったりするので、わかりやすいと思います。ただ、だいぶ進行した状態でないと見えない所見ですので、「この所見がないから、心配ない」と思わないようにしてください。

どちらかというと、医療関係者が知っておくと便利、というサインです。 youtubeでもみえます。

当院では、予約の方もだいぶ待っていただくことがあり、大変申し訳なく思っております。

特に8月は休日・祝日(休診日)が多く、大変お待たせしました。

看護スタッフ増員などで、9月末から10月に入ってから予約の方、予約外の方も待ち時間はだいぶ短縮され、予約の方、予約外の方もほぼお待たせせずに診させてもらうようにしています。

(緊急の患者様がいる場合はどうしても時間がかかってしまうことや、時間帯によってはどうしてもお待たせしてしまうこともありえます。何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます)

病院でまつ時間ほど意味のない時間はない、と自分自身思っています。

今後は季節柄、インフルエンザ流行などで時間がかかることもあろうかと思いますが、改善点があれば工夫していくつもりです。

 

私も留学前は、「きっといいことをしているんだろうな」「論文の図でもいいようになっているし」としか認識していませんでした。 しかし留学し、アンジオテンシン IIという悪い物質をつかったマウスの実験では、血管はボロボロ、血圧は上がり、大動脈瘤までできる始末です。 解剖して、免疫染色で「酸化ストレス」などをみても、血管や臓器(心臓・腎臓の細胞)はボロボロです。 しかし、悪い物質とともに、それらを阻害する物質を投与していると、それらが防げ、正常のマウスと同じ経過を辿ります。

実感して投薬することができる、これは自分にとっては非常に大きな経験になりました。

百聞は一見にしかず、ということわざ通りでした。