この薬の治験には私も香川の病院に勤務していた頃参加していました。

現時点で発売10年にもなろうかという薬ですが、「心不全」に適応があるのは日本だけです。

他国では、低Na血症ということが前提でしか使えず、海外の3つの大きなstudy(研究)によって、心不全の長期予後はよくはしなかった、ということになっています。 そもそも、開発した日本としても、長期予後をよくするために作ったのではない、という医師もいるでしょう。 さらに私の意見ですが、予後を悪くせず、症状もとり、腎機能もよくした、となっているのはこの薬だけでしょう。 他の利尿剤にはない独特な性質をもつ薬であり、ある、と、ない、では大きく治療が異なってくると思います。

効果があったかどうかで、値段(まぁ避けては通れないところですが)が高いだけ、という論文すらありますが、その人は心不全の治療にサムスカ の提案ができない、その医師にかかる患者さんが可哀想だとも思えます。 選択肢は多い方がいい。

福沢諭吉は、「世の中で、1番みじめな事は、教養のないことである」と論じています。

また、「つもりちがい十ヶ条」でも、「高いつもりで 低いのが 教養」 ともされています。

患者さんは、それぞれ自分の得意分野の知識をもっており、私の場合は仕事上「医学の知識」となります。

私の医学の知識・教養が低ければ、患者さんに、最適な治療方針を伝えることができません。

よって、当院にかかってくださっている患者様には、「医学の教養」を深めてもらうためにできるだけ分かりやすく説明させていただきたいと思っています。

説明のない医療行為は犯罪に等しい、と思っています。

診断がつけば、もしくはつかなくても、検査・治療内容は、全国どこでも同じでないと駄目だと思っています。 もちろん患者さんとの相談の結果ですが、その時の最適な治療内容を提案する、そして検討してもらうことが大事だと考えます。 決定権は患者さんにありますが、提案が少なければ、決定することが出来ません。
独自の診断方法もときには重要かもしれませんが、適切かつその方に最も適した治療方針の提案をすることを心がけています。

そのためには、情報収集も大事ですし、自己研鑽も町医者にとっては最も重要だと思っています。 大きな病院に勤めていると、「デキる」医師の真似をすればいいだけだからです。

糖尿病とは、細胞内にインスリンの効果が落ちているか、末期では量が足りないため、糖が入りにくく、結果として血管内(細胞外)に糖が多く出てしまう病気です(その血液から尿がでるので、尿に糖が混じるのです)

インスリンを無理やり「自分の」膵臓から「一日中」出すことを強要する、この薬は、肝臓がしている、空腹時にコレステロールを分解してエネルギーにする行為をやめさせてしまいます。

インスリンを外から、「助けるように」打ってあげるのとでは大きな違いがあります。

明日(金曜日)より診療を再開いたします。

みなさま、お盆はいかがお過ごしだったでしょうか?

私は講演の準備、心臓リハビリの発表のデータ集め、論文の執筆準備、とメインの心エコー図検査の本が佳境になってきて、図にするか表にするか、などを決めていました。

家族とは1日徳島のお墓まいりをしてきただけ、となってしまいました。

より、いい診療を今後も心がけるようにして、みなさまに還元できるような研鑽をしたいと思っております。