今現在、市場で出ているのは、グリミクロンとアマリールという薬です。 20年近く前は、使うことが多くありました。 10年近く前は、グリミクロン(弱い作用)は、仕方なく使用してもいいだろう、ということになっていましたが、「基本使わない」というのが重要です。 SU剤とは、膵臓から無理やりインスリンを出させる薬で、膵臓が疲弊してしまう薬です。 膵臓がんとの因果関係も報告もあります。 この薬は低血糖も起こしやすく、内服していいことは「ない」というレベルの薬です。

「抗生剤は当院ではできるだけだしません」は、とても言えません。 内服が必要な場合があるからです。

抗生剤を乱用することはよくないのですが、その理由は将来耐性菌ができるから、や、ウイルス感染なので効果がないので、という2つです。

患者さんにとっては、将来のこと、よりも、気管支炎から肺炎にならないように抗生剤が必要な場合があるためです。

もちろん、ウイルス感染の場合は説明の上、処方はしません。

ただ、グリミクロン、アマリールが処方され続けている場合は年齢とともに危険になります。

同時に、降圧薬(血圧を下げる薬)が、1年中同じ、の場合も私は危険だと思っています。

例えば、同じ薬を8月に3ヶ月処方すると、寒くなった11月には血圧が上がっているので、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の確率が上がるからです。 夏服と冬服があるように、血圧の薬も夏用と冬用に変更しなければ体に負担がかかります。

海外では、「先発品と同じ」と言ってはいけない国、州もあるようです。 日本はジェネリック率が低いようですが、別に高ければいいとかは個人的には思っていません。

それよりも、循環器内科医として思うのは、「大事な薬」はジェネリックにしない方がいい。 と思う次第です。

たとえば、「フランドルテープ」というものがありますが、これは先発品では透明ですが、なんか湿布みたいな正方形でもない長方形のジェネリックがあります。 これに変えて(患者さんの自己判断で)、胸痛がでた人、かぶれた人が何人もいますので、貼る薬、湿布もそうかもしれませんが、心臓を守る大事な薬は、ジェネリックにしない、ということが大事かな、と思います。

あとは、アムロジンという薬ですが、これは一般的にアムロジピンというジェネリックでも問題ないと思います。 実際に配合剤に入っているのは先発品ではなく、ジェネリックです。 しかし、アムロジピン10mg というとんでもない薬があり、使用されている患者さんをみました。 調べてみたら、一つの会社が作っており、原価がものすごく安いのです。 ちょっと危ないな、と個人的には思いますので、避けた方がいいでしょう。 安いのは訳がありそうですから。 5mg 2錠の方がよさそうです。

あとはコレステロールの薬(いまだにメバロチンという薬が出ることがありますが、これもどうかと思います、いろんな理由からコレステロールを下げる以外の多面的効果が期待できないからです)は、クレストールという薬は、ジェネリックをオーソライズド・ジェネリックという先発品とほぼ同じものにかえれるので、悪くない、と思います。

 

私は日本心エコー図学会とヨーロッパ心エコー図学会のreviewer(査読者)をしています。

どんなことをしているか、というと、編集長(Editor)が、選んだ査読者にその雑誌に投稿してきた論文に評価して、直すところを書くこと、です。

もっとも偉いのが、Cief-Editorで、Editorは数名、reviewerは何人いるかは不明ですが、留学中に中国人に聞いたら「中国ではすごく名誉なことだから、肩書きにしている」とまで言っていました。 もちろん、ボランティアですが、そういった依頼がくるのは、自分が論文を投稿している、また以前の査読内容が適切であった、などだと思います。

ちなみに、今年は2回査読依頼がきました。 英語なので非常にストレスですが、自分がレスポンスできるものなら、査読させてもらうようにしています。

 

15年前から私は咽頭所見を重要視してました。 論文にしようと思ったら2011年に北海道の開業医の医師がしていたので、できず。 その後、大病院でも追試の検証が行われた論文もでています。

医師はインフルエンザの診断をどう考えてしているのか?

医師によって違うと思いますが、インフルエンザのキットだけで診断する医師は内科ではありません、断言してもいいです。 通常は迅速キットにくわえ、症状や周囲の環境を考えて、キットが陰性でも診断するのが最低限の診断方法です。 そこに咽頭所見を加えるのが今後は主流にやっとなってきそうですが、慣れてない医師のもとではそれは無理でしょう。
例えば、昨年のインフルエンザの咽頭所見は例年と違っていた、と言える医師が咽頭所見を語ってもいい、と言えます。 昨年の咽頭所見は咽頭の奥にできる小水疱が小さかったのです。 今年はまだ流行とまでいっていませんが、咽頭所見をみていくのが重要だと思います。

余談ですが、今年の「感染症」の雑誌にやっと、咽頭所見でわかる、という特集がのりました。

それをみて、生兵法で診断をするのは危うい医療行為です。

海外ではインフルエンザは「家で寝て入れば治る」という感覚なので、咽頭所見をみないのです。 日本独自の診断方法です。 一部の内科医(本当に少ない)や、感染症専門医がしてもいい診断方法だと思っています。

循環器内科医は腹痛に弱い、を払拭するために、もともと消化器内科医を目指した時期もあり、それを元に消化器内科(癌治療含む)、一般内科(糖尿病治療含む)を同時にしていました。
働き方改革などがある前でしたので、24時間気が抜けない状態で、海外の発表もしながら、循環器内科を軸に、内科を標榜するために血液内科研究会にも香川で勤務しているときは出席していました。

循環器内科にも眼科にも、消化器にも、得意分野があります。 私はカテーテル治療から入りましたが、そのレベルを維持、また技術を上げながら超音波検査を専門としています。 心エコー検査だけでなく、腹部エコー、頸動脈エコー、甲状腺エコー(細胞をとることもしていました)、下肢静脈エコー(今は時間的な問題で予約外の緊急例のみしています)、はては乳腺エコーまでしていました。

内科の中でも、循環器内科だけは特別です。 癌を診たくない人が選ぶ場合もあります。 腹痛の方を見る自信がない人が圧倒的に多いのが事実です。 胃カメラ、腹部エコーができない場合、内科を標榜してもいいのかな?と思う次第です。
ちなみに以前も書きましたが、当院から大病院に紹介する患者さんは悪性腫瘍:循環器疾患:その他=5:4:1という割合です。 循環器の紹介が少ないわけではなく、2019年に私の論文のスライドが学会のスライドで使われた実績もあります。 「循環器だけでは駄目」という趣旨です。