土曜日はパネリストとして(アマゾンのカードと、記念品をいただきました)壇上で話をする機会があり、クリニックを休診させていただきました。
土曜日は朝の8:30から、夕方18時まで。 日曜日は8時から15時まで。

徳島大学のエコーグループで、日本の教科書はこれしかない、という医学書を執筆された先生をはじめ、一緒に働いた先輩、同僚、後輩、技師さん、MR(薬剤情報提供者)さんにもあえ楽しく過ごせました。
ただし、全てのセッションの中から、自分が今まではしていて、今後しないであろう、ステント治療の分野も含め、出来るだけ幅広く時間を惜しんで聴講しました。

長かったようで、終われた短く感じました。
本日はゆっくり休むこととします。

ダイバーシティとは、幅広く人材を活用する取り組み、のことです。 企業で使われることが多いのですが、最近の医療の現場では、医師一人では解決できないため、多職種との連携を強めることが重要という「100人会議」と題された、テーマは「心不全の再入院予防について」の、「循環器医のかかりつけ医代表」として、出席します。

会場の方の意見を取りまとめ、最後にスライドをだす、という形式ですが、当たり前のことはスライドにだすと、すでに意見が出ている可能性があるので、「これは思いつかなかった」「盲点だった」と聴講者を思わせることが大事、だと常に思っています。

今回の循環器学会は、非常に参加者が多いようで、会長を務める徳島大学の山田先生のいろんな試みが、その原因だと思います。

素晴らしい学会いなると思います。 土曜日を休診にさせていただき。ご迷惑をかけますが、その分、これからの診療に活かしていきたいと思います。

ジレンマがδί-λημμαというギリシャ語由来というのを徳島大学の先輩の講演から聞きました。 ちなみに、トリレンマ、テトラレンマ、ペンタレンマ という、言葉もあります。 ジ、が2つを表し、レンマ、が葛藤(どっちを選択しても悪い)という意味です。

さて、究極的にいうと、心臓は水が少ない方がいい、がその他の臓器は水が多い方がいい、という仮定をすると、心臓内や肺に水が溜まる「うっ血性心不全」では、利尿剤を使用し、体から水を引く、のですが、特に腎臓は水を欲しがる臓器なので、腎機能が悪くなることがあります。

とくに、一度心不全を起こすと、そのたびに心臓だけでなく、腎臓の機能も悪くなるため、治療がどんどん難しくなっていきます。 私はこれを、「心不全治療における腎機能とのジレンマ」と考えながら、最も適した治療を、心エコーを用いて決定しています。 ときに採血で腎機能を見ながら治療します。

さて、上記のジレンマだけでないのが、現代社会です。 患者様の生活状況、認知症の有無、介護者の疲れ、などがあり、まさにペンタレンマ状態になっている例が少なくありません。

6/8日、日本循環器学会で、循環器クリニックの開業医の代表で、このような問題について、多職種とディスカッションをして、さらに私の考えをスライドで講演することになっています。

大きな病院では、ジレンマですみ、その他のことは治療が終われば転院ということもあり、テトラレンマは開業医が考え、さらに得意分野でなくてはいけない、と思っています。

 

例えば血圧が高くて、脳梗塞を起こす。 という単純な機序の中には、4つと私が留学時のテーマであった最近の概念である、小胞体ストレス(細胞内でゴミを処理する能力の低下)が、相互干渉する、と考えてください(私の1冊目の著書、「恋する心エコー《メルクマール編》」にも記載しています。クリニックにおいてあるので手にてって見てください)

4つとは、交感神経の興奮、RAS系(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン)亢進、(組織や細胞の)炎症、酸化ストレス です。

それぞれに対する基本の治療は、生活(特に食事)の見直しと、適切な運動です。

しかし、それだけでは疾患の信仰を防げない場合、つまり、脳梗塞で麻痺という後遺症がのこったり、心筋梗塞で200mあるけない体になってしまわないことが重要です。

それぞれに薬剤で治療をするとなると、1:1ではなかなか言い表せないのですが、無理やりはめ込むと、

交感神経の興奮には、β-blocker(アーチスト、メインテート)

RAS系亢進には、RAS阻害剤(レニベース、ミカルディス、アバプロ)

炎症と酸化ストレスには、スタチン(クレストール、リピトール、リバロ、ロトリガ)

となります。

民間療法では限界もあります。 実際に「民間療法だけをしたいから、検査だけをしてみてくれ」という患者様がおられ、半年で、心臓肥大、心臓の拡張能(心臓が開く力)が、相当悪くなり、本人様も納得され、治療をうけています。

薬が全てではありません。 基本は生活習慣なのですが、現代社会で健康寿命(有効寿命)を伸ばすためには必須な薬剤療法もあることを知っておいて損hあありません。

CT検査で見つかった肺の中にみられる、結節、白く映ります、は、その方の喫煙歴や肺気腫の所見があるかどうかによっても変わってきますが、そのサイズで、再度CT検査をとる期間がほぼ決まっています。 ある程度の大きさなら、簡単に言うと、3ヶ月後、で変化なければ、そこから6ヶ月後、そして、1〜2年後の経過観察を必要とします。

異常があれば、詳しい検査ができる、大きな病院に紹介することになります。

レントゲンで異常がないと判断されても、CTで見える場合もありますし、レントゲンで見えたら、確実にCTでは見えます。