CT機器などがないむかしは3ヶ月間、いろんな検査をしても熱の原因が分からない、という状態を不明熱、と定義していました。 時代はかわり、CT検査、エコー検査機器の向上などで、不明熱は「いろんな検査を2週間程度しても、熱源がわからない」という定義に変わっています。

疑うべきは、結核、心内膜炎(心エコーでわかります)、腹腔内膿瘍(腹部エコーやCT検査でわかります)の3つから疑います。 実際に3週間わからなかった患者様で、エコー検査をして、「脾臓」に膿瘍があったことがあり、脾臓摘出で治癒しました。 ほっておけば、細菌が血液中に繁殖し、死に至る可能性もあったわけです。 もちろん脾臓はリンパ節の一種ですから、今後は感染症により注意していかなくてはいけません。

その他、疑うべき疾患はたくさんありますが、特に結核については、常に考慮しなくてはいけません。

他人に移す病気であり、とある抗生剤を投与してしまうとあとで検査をしても検査結果が陰性となってしまうからです。 簡単にいうと、結核を意識しない抗生剤投与は患者さんのためだけでなく、公衆衛生上悪い結果を高知県に及ぼす、ということです。

いわゆる裏方に徹する人がどれだけ優秀か、にもかかってくる。 国立病院機構にいた頃、我々医師の給料は相場としては相当安く、時給にすると500円は確実に下回る、いや200円くらいなんじゃ、と思う日もあった。 まぁ使う暇もないのだが、、、

すごく数字にも強く、世間も知っている先輩医師がいた。 国立病院にもよるだろうが、裏方に回ってくる人は優秀な人もいれば、公務員にとって病院勤務は自分で稼ぐことをしなくていいのでとりあえず左遷させられた人もいる、というのである。 なぜなら、国立病院の裏方(まぁ医師もふくめ全てそうなのだが、医療従事者は実際に転勤もすることがあるので少し事情は別である)は自分が働かなくても医師や看護師が働いた金額で評価される人たちである。 天下りでその病院の裏方トップに立っている人もいた。 そういう人は謙虚さがない。 それを通り越して愚かだな、と思わせる場合もある。 人一人を大学病院ばりの手厚い医療で救った時のことである。患者さんにしてみればだいたいそういった生き死にの関わる病気で運ばれてきた場合、だいたいが高額医療になり、金額は変わらないが、病院の持ち出しが多い(つまり国に請求できない)が多くなった治療をしたことがあった。 使ってもいい最高の薬だが、使いすぎると国はお金を出さないよ、という訳である。 結局、そういうのを決めるのも医師であるので、こういう場合で仕方がなかったと書類を提出すれば大丈夫な場合が9割であるし、なにせ人の命がかかっているのだ。 そういった現場の事情など知らず、医師と裏方が集まる会で、私を例にして、「ここは大学病院じゃないんだからね」と発言したことに対して、先輩医師が、「じゃあ死んでも良かったのか? そもそも我々医師が働くことによってこの病院は成り立っている。 そこから給料をもらっていることを忘れるな。 あんたは公務員だから分からないだろうが、一般病院では当たり前のことで、現場の人間に対していう言葉ではない!」と気持ちを代弁してくれたのを覚えている。
それぞれの立場を知りながら、わきまえながら仕事をしないと、いけない。 私は、善通寺病院に赴任したときに患者さんが私の外来にくるのは、なにも私を求めているのではない、この大きな病院だから来るのだ、と思って働いていた。 そういう考えになったのは、私が研修医の途中で、実家の診療所で父親と一緒に2年間働いたからだ。 「若先生」と言ってはくれるが、患者さんは私の親父を頼っているのである。 その後、技術的な習得は他の医師よりもスタートは遅れたが、朝から次の日の朝までを働く根性論で、心配していた技術の習得は他の同じ大学をでた医師を大きく追い抜いた。 むしろ遅れを取った時に、親父の背中をみて教わったことの方が大きかった。 今も医師ができない仕事をする、のはいいが、調子にのるのはどうかと思う裏方の人に、勉強不足なまま適当な発言をしないこと、を説いた。 医療は数宇だけでは計れないのである。 そんなことも分かってない人が優秀な訳はない。 結果を残すことよりもその過程を重んじて欲しいと、一医療人として思う。

水曜日の午後は休診ですが、別段仕事をしてないわけではありません。 ここを勘違いされている方がいたので(患者さんではありません)書いておきます。

私の健診では、心音、肺の音、耳腔鏡をつかって鼓膜をみる、咽頭をみる、感冒気味の子供さんには特に気を使って診る、ということをしています。

夕方は研究会で勉強をして、帰ると執筆(本や論文)をしています。

大企業の方で、「水曜日の午後は休診でお暇でしょうから」というメールをもらったのですが、勤務医でも開業医でも暇はない、と私自身は思っています。 なので、医療業界を知らない人からそういったことを言われるのは、その方の休日の仕事への向き合い方が、いい意味でオン・オフをしているか、悪い意味では休日でも仕事のことを考えていないか、の判断になると思っています。

では、現在、CE(クリニカル・エンジニア)さんの学生さんの実習を受け入れる時期だそうです。 一緒に働いていたほぼ同級生の方が全国区で偉くなって、教えているそうです。 私も彼には相当教わりましたし、自分でも、CEさんや看護師がいくような、医師は「後は任せるわ」というのが嫌で、人工呼吸器の正しい使い方・適切な使い方・機器の見方を学んでいました。 彼のつぶやきをみると、「学生にとって実習は社会人になる前の非常に大事な経験なのに、損をしている奴がいる」とのことでした。 耳が痛い言葉です。 私も医学生3年生までは全く社会人になることなど考えてもおらず、各施設へ行ったりする研修でもグループで「早く終わってボーリングしてカラオケしようぜ」などと考えていました。 親友の一人が非常に勉強家で4年生から当時は大学病院の医局に入るのが当然だったのを、全く考えておらず、沖縄中部病院(研修医が過労死して有名になった病院です)の過去問を一緒に(英語なのですが!)解いたりしていました。 その親友がいなければ、社会人になる前から「勝負は始まっている」という感覚をもてなかったので、持つべきものは良い友人ですね。

昨年から当院でも高知大学医学部の学生さんが実習に来てくれています。 みなさん非常に熱心です。 私は大学院は徳島大学なのですが、なぜかどの大学病院でも四国こどもとおとなの医療センターでも、学生さんや研修医の指導係をすることが多かったです(その経験から執筆依頼が来たのですが)

「早く帰りなよ」というのは、ひょっとしたら残りたい人を帰してしまう(もしかしたら教えたくない、教えるのが面倒という意味で)指導者としてはよくないことだと思っています。 ただ、帰りにくい雰囲気を作るのは最悪です。 一番いいのは、時間内で効率よく勉強と社会経験ができること、だと思います。 ただそれを過ぎた時間は、サービスタイムです。 雑談でもなんでも、私が経験したことは全て教えますし、聞きたいことがあれば、知っている限りのことは答えたいと思います、それが仕事です。 実は私も学生さんから学ぶことがたくさんあります。 そういったことから、教えることは教わることだ、と常々思っています。

 

点鼻薬が海外では主流です。 日本では内服薬が主流ですよね(もちろん海外でも、使用はされていますが、日本よりも処方が多い、という意味です)

点鼻薬は第一世代(もう使われない)、と、第二世代の薬があり、3種類あります。

ナゾネックス、アラミスト、そしてエリザス、です。

ナゾネックスは高知県だけが、シェア1位という不思議な県です(遅れている県、なのかもしれませんね) 他県ではアラミストがシェア1位です。 知らない医師もいる可能性もあると思いますが(私も昨年まで知りませんでした)、エリザスだけが、粉の製材なのです。 なので、余分な成分が入っておらず、小児に使えない以外の弱点はありません。 エリザスは三重県と愛知県などの東海地方ではシェアが割と高いのですが、高知県では、1割すらありません(実際はもっと少ない)

慣れている方には、アラミストを処方しますが、今まで使ったことがない人には、エリザスを勧めています。
実際に効果がいいこと(アラミストと同様かそれ以上の可能性(理論上))、使い勝手が良い部分があることからです(人にもよると思いますが)

当院は鼻腔鏡(喉をみるように、簡易型の鼻をみる(痛みなどはありません))などを使用しています(院長である私が耳鼻科での研鑽で、耳腔鏡も使うことができます)

内服薬もその方にあった、最もいい薬を処方するようにしています。 循環器ならではのまた内科ならではの処方してもいい薬もだせますので、現存の薬で満足できてない方は来院してみてください。 その際、薬手帳をもってきてくだされば、より良い処方ができます。