暑い日が続いています。 熱中症の方が増えています。 水分の補給だけでなく、エアコン嫌いな方も、暑い夜はつけた方が良いようです(ご高齢で、昼間に畑仕事をして、エアコンをつけてない方が多いイメージです)。 もちろん若い人も要注意です。

昨日は、糖尿病の勉強会で講師を務めさせていただきました。

主に「尿に糖を出す薬」の勉強会なのですが、6種類(7品目)は、全て違う薬である、という話から入りました。
6種類と言っても、「スーグラ」という薬は、皮膚へ移行し、貯留し、そこで非常に悪い粘膜障害(蕁麻疹だけでなく)を起こすことが分かっています。 他の薬は皮膚への移行性はあっても、悪い粘膜障害は起こさず、蕁麻疹ですむことが分かってきました。

さらに、DPP-IV阻害薬についても調べた結果を報告しました。 「ジャヌビア」という薬は発売も早くて安くなっているのですが、単独で蕁麻疹や痒みを起こす報告が論文として20枚ほどだされています。 例えば、同系等の薬で「エクア」という薬だと、単独ではそういったことはない、とされているようです。
なので、私自身は「スーグラ」「ジャヌビア(グラクティブ)」は処方しません。 (奇しくも同じ会社なのです)
ジャヌビアは良いかもしれませんが、「スーグラ」は絶対に出しては行けませんし、内服も駄目です。 安全性は「良くない」ではなく、「毒」レベルではないか、と思っています。
もし、スーグラを処方された場合は、違う薬にしてほしい、と是非言うべきです。 医師には言いにくいかもしれませんが、「皮膚障害が多いと聞いた」と言えばいいでしょう。 実はこの薬、右肩下がりで売り上げが落ちています。 それでも処方を続けている医師がいるということです。 もし、言っても「効くから」と言われた場合、、、 今回は見合わせます、といって、かかりつけ医を変えた方が良いかもしれません。 忖度で、その薬を使っているとしか思えないと、医師としての私は思ってしまうほどの副作用があるからです。

 

本格的な梅雨になってきました。
昨年9月から開業し、医師になってから初めて病棟をもたない日が続いています(留学中はマウスを何十匹も管理していたので、それが病棟と言えば病棟で、緊急の連絡もありました)
土曜日は、福田心臓・消化器内科で、腹部〜骨盤のCTの読影をしてレポートを書いてきました。 そして胃カメラの研修にいき、夜はほぼ徹夜で月曜日の糖尿病の勉強会の講師を務めるためのスライドを作っていました。
前から少しずつ作っていたのですが、間違いがあっては申し訳ないので、裏をとるためにきちんと論文をよみ、その論文の引用先をスライドにつけていく作業で日曜日も一日潰れました。 潰れたというよりは、自分にとっては勉強になった、という感じです。 より面白くするため、また自分の知識を増やすために論文を読んだり、新しくデータを解析し、さらにそれが大きな間違いじゃないか、を検討するわけです。 さらに、聴講者を眠らせては、これも申し訳ないので、漫画などのスライドを入れたりします。
医学に100%はありませんが、限界もありません。 私が明日発表するのは、全く新しい糖尿病治療の考え方で、安全で理窟にあった方法です(突拍子もない治療法ではありません笑 少し考えれば誰でも思いつくことです)

先日もブログで、胃カメラは「喉頭・声帯・食道・胃・十二指腸 ビデオ」とするべき、と書きました。

さて、ではどのように、それらの臓器を診断しているのか、当院での「胃カメラ(とします)」は、「超」最新の機種を用いており、喉頭、声帯、食道、胃は2回診るようにしています(胃カメラを2回飲む訳ではなく、1回見渡すだけではない、という意味です) さらに喉頭(咽頭も)、声帯、食道、胃は、2回目を診る時に、3色の色彩コントラストを使用して、超早期の癌を見逃さないように工夫しています。 これが新しい診断方法です。 この方法で、胃の萎縮や、粘膜が胃ではなく腸の粘膜に置き換わっている(これは癌の発生を高める所見です)腸上皮化性をも診断しやすくなります。

胃カメラ一筋で、単色の機器をつかい、萎縮の部位にこだわり、胃炎の分類を事細かくする診断方法は、過去の診断方法だと、本日の勉強会で自治医科大学の先生がおっしゃっていました。

私もそう思っていたので、凄く面白い勉強会でした。 患者さんは「萎縮の程度を知りたい」「胃炎の分類を知りたい」という理由で胃カメラをうけるハズはないと思います。 「先生は癌を見逃さないんですよね」という気持ちで、胃カメラをうけるはずだと、私がカメラを飲むなら思います。 医学に100%はありませんが、医学に限界はないと信じている自分にとって、最新の診断方法を学び続け、一宮地域の「治る」がん検査を行っていきたいと思います。

※胃カメラの説明の時に、赤色だけ(胃の粘膜は赤色です)の写真で説明された場合は、古い診断方法の可能性があります。 私は自分自身や、患者さんにとってベストな検査をしたいと常に思っています。 もちろん自分に出来る事の限界もありますので、大きな専門病院に紹介することも、患者さんのためだと思っています。

製薬会社が薬を開発し、特許を取得します。 およそ10年でその特許がきれます。 そうすると、どことも知れぬ会社が「ぞろぞろ」と特許のきれた新薬の真似をした薬を製造・販売することから、ゾロ薬と呼ばれています。 あまりにも名称が悪いイメージのため、国はジェネリック医薬品と名付けています。

さて、特許がきれたのだから、全て同じ真似が出来るか、というとそうではありません。 製法一部は通常公開されていないので、ジェネリック医薬品と新薬(普通のお薬)では、違う部分が出てきます。
同じ部分は、「有効成分」だけ、です(効能・効果についてはゾロ薬では違う場合があるので要注意です)。
違う部分は、「原薬」「添加物」「製法」「製造工場」です。「原薬」とは、有効成分を含めた言葉ですが、同じ有効成分が入っていても、違う成分も入っている可能性がある、ということです。
添加物が異なっていると、効果が全く変わってきます。 とくに「侍」が宣伝している会社など、有名なところは、患者さんの期待とは裏腹に、効果に疑問を呈さずにはいられない場合があります(理由は例えるなら、同じベルトコンペアで、沢山の薬を作るので、混ぜ物が多くなる、などです) また、得体の知れない会社も要注意です。 私は処方箋にジェネリック希望なら「サ○イ」以外で、と書く事も極稀ですがあります。 薬剤師の方も知っているはずです。 凄く値引き率が高いことを。 薄利多売をし、その一部が「お侍」の懐に入っています。 そして同じ値段で買わされることになりますので、薬局は大もうけ、となります。 しかし効かない…
同じジェネリック薬品でも、「原薬」「添加物」「製法」が同じ、オーソライズドジェネリックというものがあります。 値段もゾロ薬と一緒。 これは処方する側としても安心して処方箋をかけます。
高知県のとある薬局では全てが「お侍」の薬であることもあります。 そうすることで薬局がより値引きしてもらえることになるわけです。
私なら、血液をサラサラにする薬は絶対に普通の薬を内服していただきたいと思います。 ゾロ薬だと危険きわまりないからです。 その他のアドバイスとしては、「オーソライズドジェネリックはありますか?」と聞くのもいいですね(まだまだ種類はかなり少ないですが) 「お侍」の薬が出ていたり、名前をだして申し訳ありませんが、「ロキソニン」のゾロ薬「ロブ」という薬は全く効果がないことで有名です。 これが出されたら薬局を変えましょう。 お侍ではなく、悪代官の薬局です。

当院で胃カメラ(「喉頭、声帯、食道、胃、十二指腸ビデオ」、と私は心掛けています)、腹部エコーをしている患者様がいます。 そんな中で「糖尿病、高血圧の治療も一宮きずなクリニックで」と言われる患者様もおられます。 長い歴史で、他院にかかっておられる方や、より専門性のある疾患に関しては、「長い歴史があって処方も決まっているので」と話すのですが、自宅が近いなどの希望があれば、当院で診れる疾患に関しては責任をもって診るようにしています。
そして時には、積極的に「この処方内容は15年前の処方で、私が診た方が、患者さんのリスクが軽減する」と思う患者さんに関しては、私が診させていただくことにしています(もちろん希望があってからの話ですが) これが「自分が診ないと、患者さんが不利益をこうむる可能性がある」ということです。 思い上がっている訳ではなく、例えば、もはや使用は推奨されない、もしくは出来るだけ少量か、より弱い薬にした方がいい、とされている、膵臓に無理矢理働きかけて、インスリン(血糖を低下させるホルモン)をださせる薬が増量されて、最大容量になっている方などです。 この手の薬は、グリミクロン、アマリール、ダオニールの三種類しかなく、強さも述べた順ですが、低血糖のリスクが非常に高く、近年はダオニールを処方することはまずないでしょう(処方された場合はかかりつけ医を変えるべきです) アマリールも最大容量は6mgですが、1mgでも私は出したくありません。 グリミクロンを仕方なく処方することがある、という状況です。 理由は、低血糖のリスク(高血糖より低血糖の方が怖い)、膵臓への負担などです。 最近は、こういった薬を減量できるような薬剤が出てきていますが、70歳台の方にアマリールが6mgでており、最新の薬は全く試みられていない症例がありました。 さらにがん検診も行われておらず、腹痛で来られた患者さんで、胆のうには、もうすぐ手術適応があるポリープが初めて見つかった方もいます。 あと2-3年していたら胆のうがんになっていたかもしれません。 この方から、「家が近いので」という申し出に関しては、「私が診た方が、安全だろう」と思った次第です。 もちろん、色んな経緯があって今の処方になったとは思いますが、あまりにも取り残された、悪い意味での昔ながらの処方だったので、私が診る事を承諾しました。
患者さんが低血糖で運ばれる前に…