患者様で、糖尿病を患っている方も多くいると思います。 HbA1cという値がいい、というだけの治療は「古い」治療です。 投薬されている薬も当然「古い」。 ここで危ないのは、低血糖になる危険性をもった薬を飲まれている方です。 例えば、80台の方で、確かにHbA1cは6.2%と非常に良いのですが、アマリールという薬が、6.5%の時にアマリールが2ヶ月分で処方され、増量されていいるとしましょう。 医師であれば、「古い!」と思っていただけると同時に、「えっ、危ないのでは?」と思うような処方ですが、昔はこのような治療がされていました。 私も研修医時代に「アマリールは良い薬だ」と教え込まれていました。 しかし、患者様は糖尿病の時代の流れを知りません。 近年は、HbA1cの低下だけではなく、低血糖は絶対に起こさせず、HbA1cの下がり方の質を重要視するようになっています。 これが「通常」の治療です。 さらに、糖尿の合併症にも気をつかい、臓器不全を防ぐような治療(とくに心臓、腎臓、肝臓です)をし、「インスリン導入」ができるのが、通常治療よりも優れた治療だとされています。
患者様で、ダオニールが出されたら、もしくは出されていたら、「古すぎる」治療で、「アマリールの増量」は良くない、と現時点では言えると思います(今後変わってくるかもしれません、年齢などにもよると思いますので一概には言えませんが、違う薬剤があるはずです)

当院では、妊娠糖尿病や、インスリン治療のインスリンに抗体を持ってしまったりしたかたには、治療を高次の専門機関にお願いすることが患者様のためと思っていますが、インスリン治療が必要になった時点で、「当院ではみれません」というクリニックは、もともと糖尿病について、詳しくない、という証拠です。 これはこれで、良いと思います。 専門性を高めると、苦手分野を無理に引っ張るのが良くない、と私も思うからです。
ただ、私のクリニックでは、糖尿病の治療に関しては力をいれています。 薬を使わずに、治ってしまった、という方もたくさんおられます。 また薬を中断できる方もいます。 この薬はダメだ、といろんな論文をみて、理屈をもって言えるようにしています。 特に最新の「尿に糖をだす薬」に関しては、私の発表で、良い処方の仕方、というのがあります。 現在、発表段階なので、論文にしていこうと思っています(論文にするということは、第三者のエキスパートの先生にチェックしていだき、認めてもらう世界初の治療法で安全性も高い、と証明されることを意味します)

一時期(今も一部では)、「投薬」は、患者さんに薬を投げる、「投棄」のようなイメージで、失礼にあたる、と言う先生もいました。 そこで「与薬」と言う言葉がいい、となった時期があります。
しかし、私は「投薬」は悪い言葉ではないと思います。 「投票」のように、「投(な)げる」イメージではなく、「投(とう)ずる」と考えれば、患者さんの病気に対して、立ち向かう積極的な治療姿勢だと思います。

「投ずる」とき、医者がピッチャーだとしたら、病気がバッターだとすると、そのバッターの弱点をしっておかないといけません。 医師の「知識量」が投球スピードで、「経験」がコントロールだと思います(分かりにくい表現ですね、すみません) 「医師自身の解析結果」や、「患者さんの背景を知ること」は良い変化球を投げることができることにつながると思います。

患者さんの置かれている生活状況もしらず(聞かず)、経験もしたことがない、となれば、本や研究会への出席だけの「知識量」だけとなります。 いくら球が速くてもノーコン・ピッチャーでは、病気を三振にはうちとれません。 押し出し四球で、じわじわと患者さんの病気が悪くなってしまうと懸念します。
例えば、糖尿病の治療薬を「投薬」するとき、薬の知識は当然もっていて、経験も豊富で、自身がその薬の解析を行っていて、さらに、どういった食事携帯なのか、などをしっていると、朝昼夕の3回の薬は難しい、とわかり、教科書通りの直球だけでなく、朝夕、もしくは夕だけ、朝だけ、などの変化球も使えるわけです。 心臓リハビリテーションを「経験」し、「自身の解析」をしていると、運動処方を、「無理のない程度に」とだけではなく、大きな機械をつかわなくても、具体的に「脈拍110回の運動を、20分」と言えるようになります。

当院では高知市で届け出している中では、無床診療所では唯一「管理栄養士」が常勤でいるクリニックです。 糖尿病専門のクリニックでもそういうところはないようです(パートで月の○日に、などで対応しているものだと思います。もしくは届け出をしていないか) つまり、来院された日に、栄養指導を受けることができます(からなずではありません) 糖尿病は一人の問題ではなく、家族の問題でもあるので、食事を見直すことは一家繁栄につながると思っているので、そういう雇用を考えました。 これは心臓病でも、コレステロールのことでも同じです。 薬よりも食事療法が基本です。
運動については、私は重症の心不全の方の「心リハ」をしていた経験から、心エコーをすることで、どの程度の運動が良いのかが分かります。 心エコーだけではなく、運動の内容や時間も「処方」することができます。 「歩いていますが、血糖がさがりません」これは過負荷といって、運動のしすぎの可能性があります。 難度の高い心リハをした医師はこういったことを見抜けるのだな、と自分の経験を通して思いました。 この方は歩く速度を遅くして、血糖値が下がりました。

また、糖尿病治療薬の最新の「尿に糖を出す」薬は、循環器内科医が最も使用経験が今の所多いのが現状です。 それは糖尿病学会が「処方するのを控えるように」と1年以上「御触れ」を出したからです。 私自身はこの薬剤での論文を3枚書いています。 良い点、悪い点についてです。 その論文の1枚は、薬剤のパンフレットに載っています。 海外ではこの薬は心臓病に良い、とされているくらいです。 使い方を間違えなければ非常に良い薬ですが、運動療法を変更したほうが良い、と発表し論文にしているのは世界で私だけのようです(論文とはそういうものです)
インスリン治療は3(−5)日の外来通院で入院することなく自分で打つことができ、血糖も測定することができるようになります。 疲れた膵臓を休ませるためにインスリン治療を外来で行うことができる技術は必須です。 その際に低血糖に絶対にならないように細心の注意を払っています。 インスリンが必要になれば、患者さんに「ここではみれないよ」では話にならないと思い、糖尿病専門医のもと研鑽してきました。 今でも糖尿病学会に参加することもあります(過去には発表歴もありますし、最近の私の論文は糖尿病に関するものが多いのも事実です) インスリンを導入した70代の女性が、半年間で内服薬に切り替えることができました。
最後に、糖尿病性心筋症をはじめ、糖尿病と心臓は切っても切り離せません。 また、当院では癌検査ができます。 糖尿病が癌になる確率を約2倍にすることから、糖尿病の治療だけではダメと思っています。
総合的に診る、ことが大事です。 専門医に私が紹介する糖尿病患者様は、インスリンに抗体ができている方、妊娠中の方、だけです。

当院では、一宮地域での診療所では恐らくですが唯一予約制を導入しています。 これは予約している方を優先的に診させていただく、ということで、「完全」予約制ではありません(歯医者さんなどでは「完全」予約制のところが多いですよね。また大きな病院も「完全」予約制以外は恐らくない、と思います)
ただ、緊急性があったりする場合もあるので、予約にはある程度余裕をもたせているようにして、緊急性がない方でも、予約外の方を先に診させていただくこともあります。
私は予約制にしたのには理由があり、予約した人は時間がある程度予測できる、当院では専門的な検査があるので予約をしてないとそういった検査を受ける方が大変なことになる、患者様の1年の計をもって治療にあたるとなると予約制が適している、ということです。 他にもメリットがたくさんありますが、上記が主な理由です。
ただ、お仕事の都合などで、どうしても予約ができない、という方もおられますので、お薬がなくなる前に予約を電話でとりなおしてもらうか、予約なしできてもらうようにご説明させていただいています。 予約の方の間にそういった方をみさせていただくようにしています。
一点、午前・午後の一番早い時間に予約の方よりも早く来院された方については、「早い時間が予約で埋まっていた」ということもありますので、検査がない場合などは予約の方より早く診させていただくように心がけています。 この場合に検査がその方にあったりする場合は、検査に要する時間などもありますので、時間の前後があることをご了承いただけると幸いです。

今年はいろんな事情でワクチンが少なく、かかっているクリニックでうてない、という人がいます。 私はある程度この事情が予想できたので、ワクチンを昨年より多く「一宮きずなクリニック」に納入していました。 多くのクリニックでも予想できていても納入できなかった、というのが実際のところだと思います。 私自身はかなり早い段階で納入の契約をしていたので、他院でうてなかった方が当院ならうてる、という情報をえた方が多く来院され、また当院にかかっている患者様の分も確保することができています。 ただ、先週土曜日からはさすがに納入の時期も不明になってきて、完全予約制とさせていただきました。 ただ以前から予約していた人の分は確保しています。 また当院で乳幼児の2回目の接種もできるように計算はしていますが、状況も変わる可能性があります。

さて、「インフルエンザのワクチンをうっても感染するんだろ、だからうたない」という患者様がいます。 これは間違っていないと現時点(10年前から私の意見は変わっていません)でも言えると思います。 なぜなら、ワクチンで出来る抗体は「IgG」という血液中で威力を発揮する抗体です。 感染するのは、口の中や鼻の粘膜からです。 その部分の免疫を担当しているのは、「IgA」という抗体なのですが、ワクチンではIgAは産生されません。 なので感染率は同じなのです。 ドクターによっては「かかりにくくなる可能性はあるよ」という意見もあると思います。 間違ってはいないかもしれませんが、詳しく論文を読むと、統計学的に少なかった可能性があり信憑性には疑問、と書かれています。 つまり、インフルエンザに感染しても、ワクチンをうっているので普通の風邪と思ったり、病院にいっても、迅速キットも100%の検査ではないので、「陰性」となってしまうケースがあるからです。
理屈的には、「感染」の確率は同じなのです。
ではなぜワクチンを受けた方がいいのか? それは、感染し、血液中にウイルスが入った時に、重症化しにくいからです。 重症肺炎、脳炎などになりにくいからです。
インフルエンザワクチンを受けない、という主義の方もいると思います。 リスクを考えて、それはそれでいいと思います。
ただ、インフルエンザにかかった場合は、ご高齢の方などはすぐに医療機関に受診されることをお勧めします。 昨年、高知新聞のコラムに載せましたが、私は喉の奥をみることで、インフルエンザの可能性が高いかどうか、が判断できます。 これは自分で気づいたことですが、北海道の開業医の先生が論文にしていましたので、先をこされた笑、という感じです。 一般の内科医ではその所見はわからない方が多いと思います。 感染症専門医なら知っていることでしょう。
余談ですが、最近私は、風邪が今猛威を振るっているのか、治りかけなのか、が分かるようなサインが診断できることに気づきました。 このことはまだ誰も論文にしていません。 私は胃カメラをしているので、この所見の理屈に気づきました。 実は「インフルエンザは喉をみてもわからない」と、なんと内科学の教科書に「間違って?」書かれています。 インフルエンザの所見とあわせて、風邪の所見も、きっちりと見ていき、自身のスキルを高めていくことが重要だと思っています。