現在、「一宮きずなクリニック」とクリニック名に、循環器や消化器内科 を 入れなかったのは、内科全てをみる、という意味で、その下に、心臓内科、内科、リハビリテーション科 の 3つを入れました。 当初、心臓内科、消化器内科、糖尿病内科、超音波診断科 などを入れようと思っていましたが、「遠慮」したのと、しまさきクリニック(私は当時の院長とあったことはありませんが、リハビリに力をいれていて、器具があったので)仕方なく、リハビリテーション科をいれました。 10月から感冒の方の隔離(動線を変えること)が必要になり、定期で来ていただいていたリハビリの方には申し訳ないのですが、リハビリ室を隔離室に使うことになったので、中断させてもらうようにしました。 これはインフルエンザ予防接種を含めた、他の患者さんのための方の待ち時間短縮もあり、リハビリをしていた方には申し訳なく思っています。 4月から再開するかどうかは検討中です。
超音波診断科、は聞いたことがないので(超音波センターはありますが)、当院では私自身が責任を持って検査に当たることから、患者さんにはわかりやすいかもしれませんね。

 

クリニックが9月に高知市内で閉院ラッシュが続き、12月にもそのような流れがあるようです。 9月や10月に閉院したクリニックからきた患者さんの紹介状をみてびっくりしたのがケルロングという、もうその薬は使わないだろう、という薬剤を使っていたので驚きました。

血圧の薬には主に4種類があり、循環器内科ではこれら4種類の薬を適切な順番で投薬でき、その4種類のカテゴリーで最も適した薬を選ぶことができます(患者さんの意向もそこに入ってきます。例えば、論文の不正が発覚し、さらに効果が24時間ではなく20時間であるディオバン(バルサルタン)は、就眠時の血圧があまりにも低い場合などにしか使い道はないのが現状だと思っています。尿酸を1下げてくれるニューロタン(ロサルタン)は血圧を下げる能力は低いものの、尿酸値をあげてしまう可能性のある、利尿剤(サイアザイド系)との配合に非常に効果があります。なので「プレミネント」という配合剤が効果があるのです。 こういった、ARB、 (心不全ならACE阻害剤) など でも腎機能が悪ければアバプロ(イルべサルタン)少量、とカルシウム拮抗薬の組み合わせ、また単剤で最も日本で発売されている心臓を守る効果が強いミカルディス(テルミサルタン)から処方するのがいいと思いますが、その医師が使い慣れているなら、ブロプレス(カンデサルタン)や、ジェネリックがない(それがいい場合もありますが)新しいアジルバ (アジルサルタン)もいい選択だと思います。 私がミカルディスとアバプロを推す理由は、海外でしか売られていない、直訳すると「高性能ACE阻害薬」のラミプリルと匹敵する心臓保護効果があるのはミカルディス(それでも部分的には負ける場合がある)だけだからです。アバプロはなにせ腎機能を良くすることに長けています。尿酸を少し下げる効果もあるのがいいところです。レニベースも心臓の交感神経の興奮をさげる、というデータがかなり多く、それ以外の薬を使うことが少ないのですが、なぜかタナトリル が使われるケースもあり、「この患者さんは誤嚥したことがあるのかな?」と思ってしまいます(実際は誤嚥しておらず、真相は謎で、私が薬剤の説明をして変えることにしています)

ケルロングは、Βブロッカーとカルシウム拮抗薬の配合剤で、どちらのいいところも結果発揮できなかった残念な薬で、いいというエビデンス(証拠)がありません。 それなら、きちんと、Βブロッカーでエビデンスのあるアーチストかメインテートにするべきでしょう。カルシウムブロッカーはきちんと降圧作用を期待できる、アムロジン、カルブロック、アテレックのどれかにするべきです。

ビタミンD製剤は私は基本的にはエディロールしか使いません。アルファロールを使う場合もありますが、ガチンコ勝負でエディロールに負ける薬です。妊娠中や授乳中に使うことがあるようですが、そもそもそういった患者さんについては少し特殊なので、大きな病院でみてもらった方がいいでしょう。 アルファロールを使うのはジェネリックがあるからです。 長く入院が続き、薬を出せば出すほど病院が損をする場合にアルファロールのジェネリックが使われているのでは?と思います。 あと不思議に思われる方もおられるかもしれませんが、一時期(今でもその薬があっている人)整形外科の友人から、肝臓の代謝をうけずに即効性がある、ということでロカルトロールという薬を使う場合がありました。 これは今は点滴製剤で時間がかかるということから使っていないボナロン点滴をする際にすぐに効果がでるため、昔の骨折や骨粗しょう症が分かった時点で、先に2錠飲んでもらうとボナロン点滴などのビスホスホネート製剤の副作用が少なくなる、ということでした。ただ、今はボンビバ注射をエディロールを2週間以上飲んでもらってから注射するか、カルシウム値や腎機能を見てから注射は以前からしていたので、ロカルトロールは使用しないようになりました。 ロカルトロールを飲んでいた方はエディロールに変更、またもともとエディロールを飲んでいた方はそのまま、アルファロールを飲んでいた方は採血の結果がでてからエディロールに変更を勧めています。 ビスホスホネート製剤は内服薬は推奨度Bで、注射がAです。 この時点の知識で古い骨折後や骨粗しょう症に対しては整形外科と全く同じ治療ができます(プラリア注射という6ヶ月に1回の注射があり、私の読んだ最新の論文では、ビスホスホネート製剤3年後から切り替えがいい、ということが推奨されています。日本のガイドラインでは5−7年はビスホスホネート製剤を使い続ける、となっています。ちなみに同時投与は非常にいい、とされていますが、日本では(も?)保険は効きません。 副甲状腺製剤のテリボンは循環器内科医としては、論文上、「腰椎の圧迫骨折後にビスホスホネートよりも「少しだけ」いいかもしれない」という報告があるだけで、血圧の突然の低下、ショック状態(実際にそれで 運ばれてきた人もいます)、週に1度通院して注射で非常に高価、癌の既往があれば禁忌(自分が知らされていない世代の人に聞き取れない可能性)なので、私は絶対に使いません。 つまり、循環器疾患があり、心不全がある、という時点ですでに、癌の既往があろうがなからうが、骨粗しょう症や過去の圧迫骨折の治療は「知っていれば」決まっているのです。 それを整形外科でして、普段の治療を内科で行うのは全くのナンセンスです。 採血が二重取りになり、意味がありません。 骨密度は当院でも測定できますし、どうしても詳しく、というなら、町の整形外科ではなくMRIが完備されたクリニックや大病院に年に1回いけば済む話で、当院から紹介し、その結果で治療を続行か変更するようにすればいいだけです。 定期的に通院するクリニックを増やすメリットがあるのは、内科がかかりつけ医なら、眼科くらいしか思いつきませんが、整形外科なら疼痛コントロール目的のリハビリ、という点でいいかもしれません。

 

むしろ途中の10月から血圧は上がっていたはずです。 自分の外来が忙しいのが嫌で、丁寧にみないため、心不全を起こしたりする危険な処方が見受けられます。 今年は9月中旬から血圧は上がってきている人が多かったのが事実です。

まだ寒くない時から、です。

今年の血圧事情、です。 コロナウイルスでステイ・ホーム、その後の猛暑ではなく酷暑。 なので、減塩を指示しにくかった背景。 その後急に朝晩冷え込み、寒暖の差が激しかったことから、です。 みんなが同じような生活をしていた、というのもあると思います。

私が患者さんに言うならなら、2ヶ月処方するとしても「朝、140以上が深呼吸して2回目測っても2−3日続くなら早めに来院を」などと必ず言います。 通常は1ヶ月処方で状態を確認した方がいいし、2ヶ月処方するなら、家での血圧測定方法をきちんと指導するのは当然ですが、そういったことが抜けているので、これで治療しているといえるの? と思います。 自分の家族がされたら嫌だな、という治療です。

全く医療とは違う話になります。 ちなみに、最も面白い医療漫画は「最上の命医」「最上の明医」シリーズです。

鬼滅の刃がブームになった、というのは、連載が終わったあとにニュースになっていることから知りました。 最近の漫画、アニメで面白いのは、「ACCA13区監視課」だと思っていたので、びっくりしました。

面白い、というかヒットする漫画の条件は、「伏線の回収が上手」「主人公に感情移入しやすい」「主人公以外のキャラクターも魅力的」「カタナを使う」「一人1つの能力を持っている」という感じだと思っています。

ものすごく面白かったのは、「デスノート」の原作者と作画担当者が連載中は1回も会ってない、という事実です。 連載が終わった後の対談で原作者が緻密に考えていた、と私は思っていたのに「できるだけ主人公の夜神月を毎回ピンチにさせて、そこからどう切り抜けるかを考えながら1話に必ずギャグを1つは入れるようにだけしていた」というセリフでした。 後から思えばそういう漫画だったな、と。 結構行き当たりばったりの漫画だったんだな、と思ってしまいました。
逆に「暗殺教室」の原作・作画の方は、「打ち切りがあるのは、2巻、5巻、10巻、15巻、20巻のタイミングで、20巻以上続いて人気があればやめにくくなるが、必ず一つの商品として、どこで終わっても読者が納得するように考えて書いていた、という人もいます。

私は研修医の時に実家の「福田心臓・消化器内科」の手伝いをするため京都から高知に帰ってきています。 当時は自分には不利、と思っていましたが、開業医(当時日本で心臓内科を標榜していたのは父親だけで、その後高知市からクレームがきたのですが、国立循環器病センターが心臓内科を標榜しだしてから、文句を言われなくなりました。 お役所仕事って本当に責任もないし、部署も変わるし「やりがい」があるのかな?と当時は担当の人がだれか分かりませんでしたが(ここにも問題があると思います、駄目なら理由を、そして、良くなったのならその理由を、責任をもって話すべきです)思っていました。
その後徳島大学の医局にはいって、大学病院で働きながら大学院も入るので、最終学歴は大学院卒となります。

上記、「医療とは?」「医師とは?」を教えてくれる講演はなく、飲み会でもそんな話はあまりでません。自分で考えるのが普通ですが、変わった研修をしていた私には「スキルのみ」が医療ではないと感じていました。 医師になったとたん態度が変わる人もいますが、医師がえらいのではなく、そういった医師像を作ってきた先人たちの医師が良かった面もあると思います(中にかとんでもないのもいると思いますが笑)
取り敢えず、普通の職業ではありません。 聖人君子でなくてはいけません(私もそうですが、、、) そういったことを目指すことが大事だと思っています。 もちろん「高いスキル」はプロとして当然で、特殊能力を一つずば抜けたものを持ち、他は広くそして深く勉強することが大事だと思います。