私の師匠は福田信夫先生です。 日本で心臓のエコーでは知らない人はいない、という方です。 ちなみに身体所見、とくに聴診では日本で今トップにおられるのではないかという方です。 カテの師匠は篠原先生、論文を書く師匠は福田信夫先生と酒部先生、基礎研究では添木先生、米国のラボのボス、となります。 善通寺病院のルールは一つ、私の前任者から「とりあえず断らないこと。 入院させればなんとか誰かがしてくれる」という前半はかっこいいけども後半はなんとも言えない不安をおぼえたものでした。 しかし前任者の言う通りだれも救急を断りませんし、私が入院させた患者さんも田村院長以下全員が気をかけてくれるので必ず(というわけではありません。どうしても最終拠点病院では心肺停止の患者さんも搬送されてくるからです)なんとか治っていました。 受け持ちの2人目は両親ともに大学教授の娘様の自殺未遂による誤嚥性肺炎からARDSという死亡率50%の方でしたが、呼吸器科の多田先生と一緒に治し切りました。 循環器の臨床の最終決定をする頃に「なぜ私はまだこの病院にいるのだろう」と思い、徳島大学のオーベン(直接の指導者)の添木先生にこっそりと聞くと、善通寺病院の田村院長と福田信夫先生からプロテクトがかかっていて、私の希望の大学に帰った後高知の病院か、留学に、という希望がとおらない、ということでした。 これは聞いて嬉しかったのでそのままその病院にいることにしました。 自分が夜たまたま病院にいなかったら死んでいただろうな、という患者さんもいます。 スタッフへの愛着もありましたし、医師数が50人強から27人になったときは地獄でしたが、なんとか独り立ちして医療をしながら臨床研究で海外の発表もしていました。 歳をとっていても、たいしたことないな、という医師になりたくない、と思い心エコー、心カテ、胃カメラ、その他全ての内科全般については専門医に聴きまくりながら自分のものにしていきました。 もう一度同じことを、と言われてら嘔吐しそうなくらいのストレスでしたがやりきりました。 そういう病院でしか働かずに開業しました。 楽をしたあとに開業、という人はたくさんいます。 履歴をみると分かります。 もちろん腕がいい=人格者である、は両立しないこともありますが、開業することを前提に働いていたのは自分にとっていい経験だった、と思います。 最近の都会での開業はめちゃくちゃに感じます。 「そういうのがまかり通るなら、もう医学でもなんでもない」というような開業の仕方をする医師もいますが、人それぞれなのかな、と年をとったな、と思います。

合併することもある両者です。 どちらも吸入薬が非常にいいとされています。 もちろん去痰薬や気管支拡張薬も推奨されています。 特別な緑内障や前立腺肥大が強い人にはだせない吸入薬もあります。

吸入薬は主に3つです。 LAMA(ラマ)と呼ばれる、抗コリン薬です。 気管支拡張作用があり、痰の分泌も抑えてくれます。 LABA(ラバ)と呼ばれるβ2刺激剤は気管支拡張作用に優れますが、痰の分泌にはあまり関与しません。 ICS(アイシーエス)はステロイドの吸入で、気管支の炎症を直し、気管支を綺麗にして痰の分泌も抑えます。

当院では吸入の仕方がわからない場合ドクターから説明をいたします。

吸入をすることで、肺の過膨張を防ぎ、心臓の機能も改善することが証明されています。 心臓病による死亡率もさげることも報告されています。 肺気腫、喘息、どちらとも吸い込むことはできても、吐くことが困難で、残機量(肺に残る空気)が多くなり、より症状が悪くなり、運動もしないようになり、悪循環になることが言われています。

また、肺気腫には骨粗鬆症が合併しやすいことは従来から言われています。 骨密度を当院でも測れ、適切な投薬もできますので、全身をトータルでみえるようにしています。

まずは、「転倒予防」が最も大事です。 私自身、整形外科の先生と一緒に仕事をさせてもらったり、整形外科的な治療(関節リウマチの生物学的製剤)をしていたこと、また先輩、同級生、研究会などで研鑽、また勉強をつづけています。 薬物治療では、ビスホスホネートという、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ薬が第一選択薬です(月一回と年に1回のものがあります、今時週に1回のものを使用するのはナンセンスです)。 基本的に注射製剤が推奨度が最も高い、とされていますが、2ヶ月処方などの大きな病院では内服薬となるでしょう。 日本のガイドラインでは7年間、という記載もありますが、海外では3年程度でその効果はなくなる、ということもわかってきていますので、3年たつと、プラリアという6ヶ月に1回皮下注射する注射に切り替えます。 私が読んだ論文では、保険適応はないのですが、同時に使用することが最も効果的という報告もあります。 順番的にはビスホスホネート製剤  →プラリア がいいかと思います。 当院では骨密度をはかることができます。 骨代謝マーカーもはかることができますが、このマーカーが重要というわけではありません。 整形外科医にもかなり重要、という医師もいれば、それよりもCaや腎機能が重要という医師までいます。 さて、テリボン、フォルテオという、副甲状腺製剤がありますが、週に1回で、かなり高価であり、「ひょっとしたらビスホスホネート製剤より腰の骨を折った後だといいのかもしれない」という報告はありますが、副作用ありまくりの薬であり、心臓病、悪性疾患がある人に投与してしまうと取り返しがつかないこともあります。 なので当院ではテリボン、フォルテオは投与を原則禁忌としています。 そういった薬剤で心機能が低下してしまった方が来院することが現実あるからです。 またビタミンD製剤は、エディロール以外は現在使う意義がありません。

喘息は気管の炎症、アレルギーが病気の原因です。 肺気腫はタバコが原因で肺の機能が悪くなることで、肺の血管、気管を細くしてしまい悪循環になるのが病気の原因です。

よって、初期の治療は、喘息が体に吸収されないステロイドの吸入 であり、 肺気腫は抗コリン薬といって、気管支を拡げる吸入が重要です。 どちらも重複している場合や、1つでも重症化すると、気管支拡張剤が入った吸入も重要になってきて、3剤が一緒になった吸入が「長生き」に関係する、ということがわかって来ました。 今までの報告では、日常生活の質を良くする、というのがメインでした。

薬は1日1回の粉を吸う「テルリジー」、1日2回のエアゾール(噴射される霧)を吸う「ビレーズトリ」です。

非常に状態が悪い方は粉を肺の奥まで吸えないことがわかっており、ビレーズトリが良い場合があります。

夕方忘れる人にはテルリジーが向いていると思います。 どちらの薬も非常に優れており、「長生き」の原因は、心臓病での死亡率を減らす、とうのは、四国こどもとおとなの医療センターで、腎臓か肺が悪い、心臓病の人が治りが悪く、心臓リハビリになかなかもっていけず、集中治療室での治療が長くなってしまうことからも納得している報告でした。

当院ではどちらの処方も可能です。