これは医学の格言です。 医師であれば誰しもが知っています。 さて低血糖は即命にかかわることがあり、香川の医療センター(四国こどもとおとなの医療センター)で働いていた時に、低血糖で運ばれてくる患者さんの99%は医原性、つまり糖尿病の薬が原因です。
なので当院では低血糖にならないように処方をしています。SU剤という薬で、アマリール、グリミクロンなどです。 どうしても必要、という場合にのみ処方をすることがありますが、非常に稀です。 これらの薬が低血糖に最もなりやすい、ということもあります。

また人間の体は食べたもの、年齢、季節(気候)によって日々状態が変わるなか、「同じ薬で、血糖が下がるからグリミクロンを出し続けろ」という方もおられましたので、理由を説明し、これ以上内服すると低血糖になるので、処方は当院ではできません、また強要するような行為は脅迫罪にもあたるので、診療をやめてもらうようにさせていただきました。

医師と患者は対等であるはずですので、相手を脅迫するなどもってのほかですし、説明を十分にしても、処方されないことに怒って怒鳴り散らす、ことはもはや内科ではみれません。
低血糖になるような処方は当院では絶対にしないのは、大きな病院で低血糖で運ばれてくる患者さんを多く見てきたからです。

という雑誌があります。政治や経済のことが多く書かれており、好きな雑誌です。 コロナウイルスが流行するまでは院内に最新巻を置いていました。 そのプレジデントの特集号で、私が監修をさせていただくことになりました(好きな雑誌で購読までしていたので、夢のようです) どのような企画かというと、自分の子供が医学部を受験したくなるために親がするべきことは? という企画です。 その中の、医学漫画の紹介の部分の監修をすることになりました。 なにはともあれ、医師であり、物書き(というのは恥ずかしいくらいの誤字脱字ですが)の仕事(といっても医学書ですが)をしているなか、知り合った人からの推薦です。 非常に感謝するとともに、精神科、耳鼻科だけでなく、美容整形のことまで勉強することになりました。 面白い医学漫画は医師が読んでも勉強になります、特に最近のものは。
また紹介していきたいと思います。

30歳を超えると筋力は低下する報告があります。 ウォーキング(程度にもよりますが)は基本的には有酸素運動であり、筋力増加には非効率的ですが、何もしないよりは筋力維持が期待できます。 加えてレジスタンス・トレーニング(筋トレ)をすることによってより筋力維持や増加が見込まれます。 呼吸の仕方(猫背だと息切れしやすい など)も重要ですが、運動療法を適切に指示・指導できない医師の言い訳のように感じます。 筋トレに関しては特に「過負荷」といって、やりすぎ が逆効果になることもあります。

 

胃の検査はどちらがいいか? 答えは明白で「胃カメラ」です。 バリウムの方がいい、は間違い、と言っても過言ではありません。 バリウムでの方が分かりやすい病気がある、といっても胃カメラでも同じように診断できますし、バリウムではどちらにせよ、胃カメラで精査、となるので確定診断には至りません。 むしろ、バレット食道、逆流性食道炎の程度、詳しい所見、早期の食道がん、胃がん、喉頭癌、場合によっては声帯がんなどもわかる胃カメラが有利です(というか、バリウム検査は先進国では日本だけ、です。 大腸の同じような検査(バリウムではなくオムニパークを使います)は4年前に「意味がない」ということで日本ではなくなりました。

バリウム検査がなぜなくならないのでしょう? 私なりの邪推(私見)ですが、医者がしなくてもいい(検査技師がしてもいい)、胃カメラで以前不快な思いをした、検査技師学会の圧力(?)、などでしょうか。

当院では「寝て起きたら胃カメラが終わっていて、苦痛がない」という検査もしています(ご高齢の方、肺の病気が重症の方、などは出来ません)。

最後に、「バレット食道」の診断(これが見つかれば(結構います))がつけば、食道がんのリスクがあり、1年毎の胃カメラでの検査が必要になりますが、バリウム検査ではわかりません。

当院は開業して5年がたちました。 患者さんへの治療方針・院内での新しい取り組みなどはミーティングを重ねて「最終決定は院長である私がする」のが、開院当初からの当院の変わらない「米国留学時」に感銘をうけた方針です。

「日本人はほうれんそう(報告・連絡・相談)」のようだが、それは間違いだ。まずはdiscussion(相談)を研究室のボスにしてから、ボスが決定した方針で研究をしてから、最後にreport(報告)をするべきだ」、というのが留学時の決まりごとでした。

スタッフが個々の考えで勝手に動いて、結果はこうで、さてどうしましょう? では、その後の対応が患者さんにとって不利益になります。 なので、当院では、何事もまずは私に相談をするようになっています。 「ほうれんそう」の逆ということになります。

1つの事象に対して一つ一つの予想と対応をあらかじめ考え、1年後や10年後の患者さん、だけでなくクリニックのことも考えながら日々の検証、研鑽を欠かさず行うこと、が大事だと思う様に開業してから徐々により強く思うようになりました。

大きな病院に勤めているときは、野球でいうと自分自身が4番でエースピッチャー、という感覚でしたが、勤務医ではなくクリニックの院長をするようになってからは、自分は監督、スタッフは守備・打撃コーチであり、患者さんは選手(プレイヤー)である、という感覚が今の私の考えです。 患者さんが気持ちよく、持病と戦う、向き合う環境づくりが大事だと思うようになりました。

適切な診断をして、以前私が勤めていた大きな病院でしか治療ができない疾患については、エースで4番の医師がいる病院に紹介する、ということが病診連携の一つの形だと思います。