インフルエンザウイルスワクチンは感染した時に重症化しない、というワクチンです。 感染を最初にする場所は鼻粘膜や咽頭粘膜です。 この辺りの免疫を司っているのはIgAをいう種類の抗体です。 皮下注射でできる抗体は血管内のIgGという抗体のみです。 理論上はワクチンを打っても罹患する、というのはこの理由です。 ワクチンで感染の予防効果もある、のは嘘(というか間違い)だと思っています。 統計上、ワクチンを打った人と打たない人では重症度が変わってくるので、「あぁ、微熱がでているけど、いつもの風邪かな」という場合がインフルエンザに感染していない、という方にカウントされてしまう可能性があるからです。
新型コロナウイルス のワクチンは治験が全て終了していない状態で、医療従事者や高齢者からどうぞ、ということですが、「打たされる」感覚もあります。 高知も第三波がきており、東京都などの大都市よりもタチが悪い可能性も考えられますので、実験台のつもりで打つしかないでしょうね。

ちなみに、コロナウイルス のワクチンもインフルエンザのワクチンん同様に予防効果はないはずです。 なので重症化はしないように働くでしょうから、このワクチンで、コロナウイルス が撲滅はできないだろうな、とは思っています(インフルエンzなワクチンでインフルエンザがなくらなないように)。 また、日本だけ頑張っても、海外ではやっていたら日本でも同じようなことが起こる可能性もあります。

例えば、「お産」です。 見たことは学生時代も含めなんどもありますが、責任者として経験したこともなく、1回していたとしてもそれは経験というよりは、後ろで何かあったときに産科医がいたのなら、自分の責任ではないので、一人でした経験、には入れてはいけない、と思います。

できるがしないこと、は、例えば「肩関節への注射」です。 これは整形外科医に教えてもらい、何度も一人で責任をもってしてきましたが、ステロイドを使うことになり、内科の開業医向きでないのでするのをやめました。 ひざ関節注射はヒアルロン酸なら内科でも感染に注意を払えば上手にできると思います。 特に循環器内科ということでするのですから、後輩ドクターからのアドバイスで「より」感染には気をつけています。 具体的には、消毒 だけでなく、 注射周囲を無菌の布で覆う、 そして、すべての動作を無菌の動作(手袋も清潔な無菌のものです)で行う、ということです。

 

救急を経験したかどうかにもよるのかもしれないと考えていた時期もあります。 私は1秒を争うような仕事をしていたので、その時には焦りながらも、十分先に用意していた方法に基づいて行動するようにしていました。 特にカテーテル治療が緊急の場合などは、不測の事態が起こり得るのですが、不測、にならないように、考えられることを全てフローチャートにして、カテ室に貼っていました。 写メを撮るドクターもいました。

慢性期をみる医師となって思うのは、やはり急性期を経験したかどうかはあまり関係なく、その医師の資質なのだと思います。 何か仕事以外で困ることがあっても、仕事中には決してそれを表にださない、という、医師の鉄則があります。 時に感情的になることもあるでしょう。 普段からそういう医師もいるとは思いますが、一線は超えない、という常識人が医師なのだと思います。

昨年の論文ですが、65歳以上のオランダ人の方を12年間追跡調査すると、アルツハイマー病を含む認知症は貧血が軽度でもある人で30%以上の確率でなりやすい、ことが判明している。 因果関係は不明としながらも、徐々に脳に酸素が少なくなることで脳がダメージをうけたのだろう、という結果で、この論文に対して「軽度の貧血でも治療が必要だ」という意見があります。

実際欧米の方よりもアジア系民族が3倍くらい貧血になりやすく、その治療をきちんとした方がいいでしょう。

善通寺病院(現:四国こどもとおとなの医療センター)勤務時代、精神科のドクターが3人いました。 内科疾患のある精神科の患者さんを受け入れることになっていたので、基本、私たち内科医が共同で診察していました。
そんななか、消化器内科でもっとも腕のいい先生は、全く資格や専門医も持っていません。「あんなん意味ないから」と。
精神科の患者さんが搬送されてきて、シーハン症候群であることを、粘り強くみて診断しきり、ずっと他院で統合失調症と診断されていた20年が嘘みたいになおり、「精神科疾患ではなかった」ことを突き止めました。
私はその医師を尊敬しています。 大腸胃カメラ、総胆管結石、胃カメラ、胃ろうの作り方(知ってはいましたが)などたくさん習いました。 懐の深い先生でした。

なぜ検査をいろいろしたのですか? と聞くと、「精神科特有の所見がなく、病歴もおかしいと思ったからだよ。それに最初からつけられている病名が違う、と疑うことも大事だし、自分の親ならどうするか考えることやね」と。 相当勉強したのだと思います。 他の医師が意味のない専門医資格(今はもっと意味のない専門医があります、ちなみに私は価値のある専門医もあるとは思っていますので、そこは意見が違いますが仲良くしていました)の勉強をしている間に。
精神科の患者さんに対する思いがその先生には強くあり、私はその尊敬する医師の真似事ですが、それが正しいと思って治療に当たっています。