残念ながら私は7年間、眼底鏡を使ってないので、鼻腔鏡、耳腔鏡のみしか使えません。

お金はかかりません。 聴診器を使うような感覚です。 鼻風邪かアレルギー性鼻炎かの鑑別に有用ですし、耳の腫瘍を9月には指摘でき、紹介して手術予定となっている方もいます。

私の専門は循環器と消化器内科です。 その中でも、誰にもまけない、と勉強をして、研鑽もしているのが、心エコーと心臓リハビリ、腹部エコー(私が膵臓の見逃しを防ぐ方法を7年前にfacebookで載せていたら、今現在そいういったものが標準装備されている機器もあります(別に私の投稿を見たわけではないと思いますが、当時は膵臓専門の医師も思いつかなかった方法です))、そして胃カメラです。

しかし、かかりつけ医として、それだけで患者さんを見えるわけはありません。 心エコーが専門といっても、急性心筋梗塞を医師一人で何度も対応した経験などがないと緊急に弱い医師になっていたでしょう。 さらに、耳が痛い、という患者さんに、「耳鼻科に行ってください」は正しいようで、私の中では間違いだと思っています。 まずは自分でみて、どういう状態なのかをみてから紹介する、のが正解だと思っています。

昔の医師はそれこそ万能で、さらに自分の得意分野を持っています。 私はそれを目指して、今の医師が「自分の専門外はみない」ということをせず、専門医とともに研鑽して、万能タイプを目指すことを試みた結果です。
そのためには、その病院で最も優れた技能をもっていないといけません。 それが私にとっては「心エコー」だった、というわけです。 何かその大病院で最も優れた技能、技術を持っていないと、それを軸に万能タイプに今の時代なりたくてもなれない、というのが私の持論です。

海外でしか売っていない、ラミプリルという心臓保護座用にすぐれた薬があります。 持続時間もながく、それに匹敵するのが、日本で発売されている、ミカルディスだからです。 また、持続時間でいうと、レニベース、アバプロ、アジルバ、と続きます。 それ以外は、ほぼ有効持続時間はありません。 私がディオバンを使わないのはそれらの薬の1/3しか(有効な)持続時間ががないからです。 ちなみに、誤嚥性肺炎で使用するタナトリル も1/3しか有効持続時間はありませんが、心保護効果を狙って使用するわけではないので、使うことがあります。

こういった情報は英文の比較した論文でわかることですが、使い慣れた薬を使う医師の経験も重要だとは思います。

ただ、今更、心保護効果が優れてない、とされる薬をいくら使い慣れているから、といって、意味もなく(意味や理屈があればいいと思いますが)使用するのはどうかと思います。

今では、心臓の動きによって、心不全を起こした時などに、ガイドラインで様々な呼び方がありますが、この、mildly DCMというものはガイドラインには乗っていませんが、論文は多数あり、その原因も様々とされています。 mildというのは、軽症、軽度という意味です。 DCMとは拡張型心筋症の略語です。

DCMだけだと、相当心臓は大きくて全く動かない心臓のことを、想像する医師が多いと思いますが、きちんと論文を読んでいれば、少し心臓が大きくて、少し動きが悪い、という症例に数多く出会うことがあります。 そういった心臓に対して、闇雲にカテーテル検査、危険を伴う心筋生検、高額な採血検査をすることが、いつも正しいわけではありません。 もちろん、可能性があれば確実な原因を突き止めるために検査をしてもいいと思いますが、危険因子が全くなく、「経験」上、心筋生検をすると、「ウイルス性心筋炎のあとなのだろう」ということがわかるようになります。 もちろんそれ以外の自然と原因なく、拡張型心筋症が軽症ですんだ、という場合もあります。 要は経過をみることが大事ですが、何もせず様子をみる、は最悪の一手です。 それならきちんと検査を強く進めるべきでしょう。 私の場合は、冠動脈に異常はなさそうで、心臓サルコイドーシス、高血圧性心臓病の成れの果て、心ファブリー病などの代謝疾患などが否定的であれば、心保護作用のある薬剤を飲んでもらって、経過をみます。 (その経過をみるときに私は、心エコー図検査の料金をとらない場合もあります)
紹介先の大病院で「無投薬で経過をみます」とされた少年が、経過もみられず、当院に来院される場合もあり、紹介先の病院が悪いのではなく、紹介先の医師によってその人の一生が変わる、という自覚がない医師なのだな、と思うことがあります。 これは自分がされたら嫌だな、と医学の知識をもって思うことです。 なので、その医師がある分野で有名でも紹介は絶対にしません。 同じ大病院でも違う医師に紹介することいしています。 自分が紹介されるなら、という考えをもたないと、医師という職業という以前に、人間的に間違っている、と私は思うからです。

先日、アダラートLという薬を絶対に使わない、という意見がありました。

理由は「ガイドラインに血圧はゆっくり下げるように」だからだそうです。
ならば、後負荷不整合による心不全に対して、静脈注射で血圧を下げないといけない場合や、その方の心臓が後負荷に非常に弱い場合は準緊急に血圧を下げないと心不全を招いてしまうということになぜ気づかないのだろうと思います。

これは考え方の違いなのかもしれませんが、救急をしていて、慢性的な高血圧に対して、RAS抑制薬がいいというのは、誰でもわかることですが、救急の場においてはそれがベストであるはずはありません。

7日で血圧を10くらい下げる、という気持ちで投薬する場合と、12時間で血圧を元に戻すという場合と、1秒でも早く血圧を下げないと命に関わる、という場面に出くわしたことがない、最悪の場合を想定してないといけない、と思います。

中性脂肪、血糖、(まずは安全な領域にした)血圧は有酸素運動でさがるでしょう。

しかし、悪玉コレステロールは下がらない、というか、アスリート並みの運動をしないと下がりません。

ちなみに善玉コレステロールを上げるには、禁煙、EPA/DHA製剤の内服と、運動がいいとはされています。

さて、アスリート並みの運動にも、筋肉を肥大させる運動と、マラソンのような運動があります。

筋肉を肥大させるような運動では尿酸値が高くなる傾向が報告されています。