私の先輩医師は内科でもマイナーな部分を担当していて、昔からよく助けてもらっていました。

非常に物知りな先生であり、人間力があります。

医師は医学のことしかしらない、と思われる人も多いと思いますが、実は意外と趣味が多い医師もいます。

逆に趣味が多い人の方が多いような気がします。

最近の最新の近代的な最高の望遠鏡では、月においた10円玉がみえるそうです。

人間のゲノムなどが分かって来ているなが、地球外にも人間の叡智は進んでいるだな、と思ったものです。

 

よくプロ野球では、長嶋監督の勘ピューター、と野村監督のID野球が比較された時代があると思います。

私は、経験からくる直感も重要視していますが、医学では「理屈」「理論」「データ」が基本だと思っています。

英会話で、留学前に「check it out」を「チェキラゥ」という意味が分からなかったのですが、きちんとした理屈があって、母音に挟まれた「T」は「ら」になる、とか、最後の「 T」は省略可能、などです。

あとは行ってみて、「ハァッドゥッ?」と聞いてくる(挨拶してくる)人がいましたが、全く分からなかったので、なんと言っているのか聞いてみました。 「How are you doing?」調子はどうですか? ということでした。

これは、日本語では、「チョリース」みたいな感じで、理屈じゃない、という感じです。 経験しないとわかないことです。

患者さんの立場に立って、今の私の医学の知識からすると、

ディオバン(バルサルタン)という薬は、長い時間効果がないので、夜の血圧が低い人には使うが現在はあまり使わない

アテレック(シルニジピン)はアムロジン(アムロジピン)の2/3の強さである。

スーグラ(糖尿病の薬) は使われたら病院、クリニックを変えた方が絶対にいい(現時点)

心不全にエビデンス(論文)が豊富なのは、レニベース、ミカルディス、ブロプレスである。 腎機能に関してはアバプロもいい。 タナトリル は咳がでにくいし、誤嚥したときは咳をだすようにする薬である。 などです。 これらは医師の好みもあるのですが、今更、エースコールやディオバンで心機能をよくしようとするのはあまりよくない、と思います。

 

 

これは、医療関係者用、と思われるかもしれません。 しかし、私自身、医者でなければ「身内が主治医にこういわれたけど、どうしたら、、、」と思うので、そういった方へ向けて書いている、と思っていただければ幸いです。

ラシックスという強力かつ日常でも通常使われる「ループ利尿剤」があり、体にたまった水を出すときに使います。 使い続けないといけない方もおられます。 「ループ利尿薬」は、水と同時にNa(ナトリーム)だけでなく、K(カリーム)も排出(尿で)してしまうので、マイナスイオン負荷である、Kが排出される代わりに、プラスイオン負荷である、Hが同時に排出されるため、体がアルカローシスになってしまいます。 さて、日常体内では体を中性に保つため、呼吸をすることで肺、つまり鼻・口から二酸化炭素をだして、アシドーシスになった体を中性にたもっているのですが、人工的にアルカローシスになってしまうと、呼吸をするのを人間はやめてしまい、人工呼吸器の呼吸に頼ってしまいます。 どういう方がそうなりやすいのか? それは二酸化炭素濃度で呼吸をしている肺が悪くない人ではなく、酸素濃度で呼吸をしている、慢性閉塞性肺疾患の方です。
「心不全で治療をしているけども、肺うっ血(肺に水が溜まっていること)は良くなったけども、もともとの肺の機能が悪いので管を除けると自発呼吸ができない状態です」

という説明(私はちなみにこういった説明をしたことがありません)があれば、こう言ってみてください。

「先生、ダイアモックスは使ってくださったのでしょうか?」、と。

循環器内科医や呼吸器内科医でもあまり心不全治療につかった経験をもつ医師は少なく、四国こどもとおとなの医療センターでは私が呼吸器内科専門医と一緒に超少量から使用し、その薬理作用から体をアシドーシス傾向にすることで、自発呼吸を促すことができます。 もちろん何百例もの使用経験はありませんし、そういった使用方法は「試しにやってみよう」という思いつきだけでしてはならない医療行為であり、呼吸器専門医との連携のもと使用し、自分自身一人でその調節ができる、というのが「経験」となりますので、おそらく聞かれた医師も「そういったことはしてませんし、あまりおすすめできません」と言われるかもしれません。 いろんな事情から使って経験がある医師でもしない方がいい、という返事かもしれませんが、言う価値はあると思います。

免疫力がおちて、帯状疱疹は発症します。 疲れ、ストレスが原因のことがほとんどですが、中には特に消化器癌で免疫力が落ちている場合があるので、「帯状疱疹は癌のサインかも」という意識をもってもらいたいと思っています。

当院ではその場で帯状疱疹かどうかわかるキットがあり、帯状疱疹であれば、内服薬、点滴などで治療するとともに、患者様の理解が得られれば、消化器癌を中心とした検査(胃カメラ、大便での大腸ガン検査、腹部エコーなど)をするようにしています。 実際に数%ですが、癌が見つかり、完治に至ったケースは数多くあるのです。
帯状疱疹の治療は皮膚科でもいいと思いますが、そこで治療を終えるのではなく、内科受診が重要と私は思っていますし、「それは常識」であると思っています(ここで格言、「帯状疱疹があれば癌を疑う」です)
だいぶ以前にも同様のことを書きましたが、重要なことなので、再度書いた次第です。

私は医師という職業は「特別」だと思っています。 もちろん他の職業をしたことがないのですが、「医師は仕事中と仕事外の時間のon と off がない職業である、たとえ開業医でも」と思っていますが、最近は、医師の考え方も社会のあり方で変わってきていると実感しています。

私が間違っているのかどうかはわかりませんが、仕事外の時間も仕事や、もちろん仕事のために体を休めること、に注意して日々を過ごすことは間違ってはいないと思います。

開業医は私の知っている限り論文を英文で書く医師は非常に少ない。 しかしこの作業をしないと、「医療の腕がおちる」という持論をもっています。 最新の専門の知識をup dateできないからです。

on とoff を切り替えることが悪いと言っているわけではなく、私の、いわば生き方、なのです。 これは変えられません。