モンスター・ペイシェント、とは、病院に迷惑行為を働く患者さん、またはその周囲のご家族の方を指します。

迷惑行為には、暴言、暴行、職員に対する嫌がらせ行為、インターネットを含む誹謗中傷、などです。

インターネット対策は進んでおり、誰がどこで、どのPCを使って書き込みをしたか、は、実は簡単に個人名を特定されており、罰せられる可能性がでてきています。

2014年以来、ガイドラインの改定がされたのはニュースでも取り上げられ知っておられるもいると思います。

誤解があるかな、と思ったのは、「診察室(病院)」での血圧がニュースで取り上げられていることです。 循環器専門医は家庭血圧、特に早朝(起きた時)が重要であることがあまり報道されていません。 上の血圧が140未満ではなく、早朝の家庭血圧が135未満であることが重要です。 病院で測った血圧ほど当てにならないものはありません(いろんな要因があり、来院した時間や、白衣高血圧、逆白衣高血圧などがあるからです) 「日々の自宅血圧」が重要です。

あとは、運動が重要とされていますが、例えば血圧が160の人に運動を私は推奨しません。 まずは血圧を食事療法や一時的、もしくは年齢・遺伝であれば長期間の降圧薬の服用、で、血圧が下がった後、運動療法はしないと「危険」です。

下の血圧は、私は、体液量に依存する、と理論上考えています。 代表例ですが、「大動脈弁逆流症」があると、心臓が拍出した血流が心臓に戻るので、下の血圧が血管内に止(とど)まらないので下がります。
肥満者は細胞が多いため、血液量(体液量)が増え下の血圧があがり、高齢者は体細胞が少なくなり、体液量が少なくなるので、上の血圧と下の血圧の幅がひろがります。 動脈硬化で上がるのは、主は上の血圧、と思った方がいいでしょう。
下の血圧は測定が難しく、あくまで上の血圧重視が大事です。

脳神経の異常がなく、3ヶ月以上続く場合は、25%の割合で「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」という、何かの病気(メニエール病や良性発作性頭位めまい症)にかかった後の病気、とされています。

問診、身体所見、聴力検査、頸動脈エコー(実はかなり大事です)で、明らかな異常がなく、耳鼻科で以前にそういった病気を言われていたら、PPPDの可能性が非常に高くなります。

この病気は「うつ」の薬、が効くとされています。 また、高い位置のものをとったり、振り向いたり、下に転がっているものをとったり、というトレーニングも効果があります。

人間大事なのは、心臓・血管疾患、癌、肺炎 です。 そこに付随して、認知症、喘息、糖尿病、ときに骨折の疑い、です。

循環器のクリニックでは、「当院は腹痛はみえません」や、逆に「心臓のことはみえません」というクリニックが多いのですが、ドクターズ・ディレイといって、救急車で大病院に行かなければいけない人の電話以外は、そういった方が飛び込みでこられても、その他の上記の疾患も必ずみます。
①心臓・血管疾患:私の専門です。論文で新しい心エコー指標の発表や、著書(検閲をうけた医学書)が2冊、心臓リハビリでは県で唯一の評議員で共著で執筆させていただいた医学書があります。

②癌:もともと私は消化器内科から循環器内科に転身しました。 クリニックゆえに大きな手技はできませんが、胃カメラはもちろん、腹部エコーや甲状腺エコーなど、超音波専門医の資格を持っています。

③肺炎:四国では唯一、地域の耐性菌、についての論文を書いています。 つまり、初見の方や、当院にかかっている方でも、「効かない」抗生物質を出す確率が少ない、ということです。 一宮地域の方の気管支炎、膀胱炎などの耐性菌が分かっているので、気管支炎から肺炎にならないように対処できます(なぜそういったことをしないのか不思議、という講演を最近香川でしてきました)

その他:認知症に関しては「オレンジドクター」であり、適切な画像診断の読影などで治る認知症を見逃さず、また認知症の方にとって適切な薬剤投与や、当院のグループ内で認知症に関して本人はもちろん、ご家族の方の負担も考えた治療をします。 アルツハイマー型認知症にレビー小体型認知症のオーバラップ症候群に対する治療法についての発表をしています。 喘息や肺気腫についても「間違った」アドバイスをせず、適切な治療を行います。 また糖尿病に関しては、最新の治療で、古い治療を撲滅するようにしています。 ここでいう古い治療とは、癌の可能性をたかめ、低血糖を助長し、血管・膵臓を痛めつける治療がいまだに横行していることです。 当院では、SU剤をついに投薬なし、とすることができました。 SU剤は簡単に血糖が下がる薬ですが、下がった糖は血管の内側についているかもしれません。 もちろん、微量な薬剤を使うことを「悪」とは言いませんが、「必要悪」だと思い、他院からの当院にこられた患者様は離脱することができています。

エコー検査で引っかかれば、CT検査を、紹介状代や診療代なしで、福田心臓・消化器内科でうけてもらい、読影します。 放射線科での1 年の研鑽をしましたが、今でも年に数回、1日かけて勉強会に行っています。 またどうしても迷う症例は県外の画像専門医と連携をとっています。

 

私は循環器を専門と思われている方、また、クリニックに「消化器内科」を標榜しなかったのは、少しの「遠慮」があったからです。 今後は「標榜する」ように予定しています。 なぜなら私自身は、最初は「癌と戦おう」という京都日赤の先生に憧れ消化器内科が専門でした。 実際に、胃カメラ、大腸カメラ(ポリープ切除もしていました)、膵管像影検査(すい臓がんをみる高度な胃カメラ、というイメージです)、胆石を掻き出す手技を、その後も循環器同様、同時にしていました。 専門医の資格は、学会に入って、その後一旦脱退し、入り直したのが遅かったので、内視鏡専門医、消化器専門医の試験をうける権利が発生しなかっただけで、同時期に一つ上の先輩医師と遜色ない検査・手技が可能です。 学会に属している(大病院で)期間がわずかにたりなかっただけで、専門医の試験をうければ、普通に取れていた資格です。
「超音波専門医」は高知では10人いません。 専門医の資格が全てではないことを理解していただければ幸いです。 大病院では、東京などで開催される大きな学会に出席できるのですが、開業するとそうもいきません。 つまり専門医の維持が難しいのです。 一つだけ「心臓リハビリテーション学会」では、高知の医師では唯一の本学会の評議員で、四国支部で幹部となっていますので、これは大変申し訳ないのですが、土曜日を休診にして出席をしなくてはいけません。 また、循環器学会においても、「開業医代表」として、6月の土曜日にシンポジストをしての依頼があり、休診しなくてはいけません。 こういったことは大変申し訳ないのですが、ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。