心臓リハビリテーションをしていると、この方はしていて良かったな、と思う人がたくさんいます。 しかし、有名な論文で、長生きに貢献した治療法だ、という長期間観察した論文はすくなく、おそらくその論文で説明している医師は今は心臓リハを専門としている医師としては、ちょっとな、と思うほど、「適切ではない」論文です。 短期間の論文はあるとしても、QOL(生活の質)をあげるという論文はたくさんあっても、予後の改善効果はなかった、という論文が、有名な論文の前後に非常に多いのです。 今後の課題かもしれませんが、私自身は、心臓リハを極めた医師のもとですると、「悪い所見」がわかり早めに対処できたり、心房細動の心拍数の適切な薬剤の量、雑談を通して認知症の進行を、普段の診療より詳しく話せることから、予後は良くなると思っています。 ただ、「心臓リハはいいです」だけで盲信して、漠然とすることは、「よくない」論文と変わらない行為だと思っています。

私自身は、正月はほぼ返上で、執筆活動や論文、講演会(医師に対して、県外にも出張)のスライド作りを行います。 それは、きずなクリニックでも行うことがあります。

みなさまもお忙しい正月を過ごされる方もおられると思います。 お体に気をつけて、来年もよろしくお願い申しあげます。

 

※正月休みも当院の駐車場は、個人の私有地です。 公共の場所ではありませんので、認められていない車が止まっていると(人が乗っていても)、占拠罪になり、訴訟問題とし、レッカー移動させていただきます。 みなさん、自分の庭に車をおかれると嫌でしょう。 チェーンをしないのは、交通量が多い為、歩行者や車の接触をさけるためにしていないのです。 なお、診療時間内(昼の休憩時間もいれて、電話対応はしていますので)の9時から17:30は、営業妨害、という罪に問われます。 多くの医院、クリニックがチェーンをしたり、大病院ではお金を払わないと止められないのは、しごく当然のことなのです。
見つけ次第、レッカー移動をさせていただくのは、正月などの休暇は清掃などの業者が車をとめることがあり、邪魔になるためです。 それらの車は認めているから当院としても把握しています。 個人の引越しや、荷物の運搬業者がおくことも、当然、占拠罪となります。 刑事訴訟、また民事訴訟を事前に防ぐ為に、チェーンをするのもいいのですが、周囲の方の交通のこと、安全面を考慮してしていません。 ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

お薬は足りてますでしょうか? 例えば、脳梗塞を起こさないように必ず毎日飲まなければいけない薬や、心筋梗塞を起こして、ステント治療を行っているのに、血をサラサラにする薬が足らなくなっている、また、血圧の薬に関してもそうです。

糖尿病の薬もそうです。

コレステロールの薬を3日忘れたからどうとなるわけは、普通の方ではありませんが、大きな病院では、必ず飲んでいないと、コレステロールの塊がどんどんと血管から剥がれてしまう場合で内服している時は危険です。

とりあえず、明日(金曜日)は、当院は午後の5時まで受け付けていますので、何かありましたら、来院されてください。

当院では、12月にしか1回目を打てなかった子供さんのためにも、1月末までは、インフルエンザ予防接種を(成人にもですが)うけることができるようにしております。

 

 

インフルエンザの検査キットで陰性でも、「症状や周囲の状況で診断しないといけない」とされていますが、私はインフルエンザかどうかは咽頭をみて判断がだいたいできます。 論文にしようと思ったところ、後輩の日本でも珍しい感染症専門医(昨年はロンドンに留学中だった)から、その所見はすでに日本の北海道の開業医の先生からでていますよ。 と、言われ、自分の無知を知りました(ただ感染症内科医が知っている、というだけで、通常診療の医師はまず知らないこと、感染症専門でもないのにそこにたどり着いたことは、後輩から褒められました) そこで終わらず、私はまだ論文にできていませんが、「絶対にインフルエンザではない」という咽頭の所見を発見しました。 陰性所見という奴ですね。 このインフルエンザキット、症状や状況、さらに上記の2つの所見で当院ではインフルエンザかどうかを診断しているのです。 しかしなかなか陰性所見はでてくれません。 それが咽頭でみられ、インフルエンザだった例は昨年1件もなかった所見です。
さて、今日は昼休みに1つ論文をみました。 メイヨー大学がミネソタ州の平均寿命と心臓病(心筋梗塞)の方の平均寿命を合わせた表に、「心臓リハビリ」を受けると平均寿命が、心臓病がなかった人と同じになる、というあまりにも有名な論文、、、ではなく、それが発表される前後の論文です。 意外と「心臓リハビリ」には予後改善効果がなく、QOL(生活の質)を向上させる、という論文が多いのです。 そのあまりにもショッキングな「良い」論文はおそらく消えるでしょう。 論文自体にどんなリハビリが良かったか、どのくらい続けたかなど書かれておらず、私が本日、香川県のとある先輩医師から心臓リハビリや心不全の講演を頼まれたのですが、最近の講演でそのメイヨー大学の論文を使う医師もいないと思います。 恥ずかしいからです。 自分自身、心臓リハビリに関わって10年近くになりますが、確かに予後をよくするというか、悪い人を早めにpick upできる、またsuper responderといって、相当効果がある人、のどちらかだな、と思っています。 あとは、している方が、していないより、10年では生存率などはわかりませんが、健康寿命は良いだろうな、とは思いますし、そういった短期間の論文はたくさんでいます。
さて、私はout put型の人間でありたいと思っています。 そのためにはこういったinputも非常に大事なのです。 余計な労力で、私自身を疲れさせて、診療の質を落とさないように、と日々思っていますし、人間は他人との関わりの中で生きているのである程度仕方のないこともあるかと思いながら、嬉しいニュースや、みていて面白い論文や、自分の発表のアイデアを、まとわりついてくる嫌な感情を無視し、暇な人って結構いるなぁと、って全然羨ましくないのですが(笑)、全力で毎日を働きたい、と思っています。

「貴方」の考え方には様々なものがあり、がん検査をうけることで、何もなければ検査代が無駄になるので絶対にうけない、もしくは、何か見つかった時に治療が早期にできるので、必ずうける。という極端な考え方も「アリ」です。

一方で、もしかしたらガンがみつかるかもしれないので、医師に言われた感覚で検査をしていく、という考え方が、今の主流でしょう。

後者は実は、医師でも検査を受ける側でも、最も「後悔しない」確率論なのです。

医療は日々進化し続けます。 極端な考え方も年齢や信念でいいと思います。 ただ、時代時代にそった、医療をうけることが、後悔する確率が減る、ということになります。

高血圧の治療についても、心臓リハビリテーションをうけることについてもそうです。 自分でできるから参加しない、は実は極論であり、冬になり、心臓超音波検査をすると、心臓肥大になってしまっていたり、心臓の機能が悪くなってしまって、あわてて治療をうけたり、リハビリに参加する、という後悔が少ない方が良いとされています。