アレルギーなどさまざまな要因で、前駆症状があり、血圧低下でショック状態になる、かなり「やばい」状態のことです。

四国こどもとおとなの医療センターでは、先輩医師がはじめて、アドレナリンを使用して、教科書には静脈注射と書いているので、その通りしたら心室細動になって、私も呼ばれ、電気ショックで容易にもどりましたが、まずは、筋肉注射が重要です。 相当悪い人にたいして静脈注射はするべきです。

私の場合は過量投与にならないように、アドレナリンを生理食塩水(点滴でつかうやつ)100mlに溶いて、そのうち1-3mlを筋肉注射します。 少し足らないのでは? と思われる医療関係者の方もおられると思います。 ただ今までこの方法で悪くなった人はおらず、症状の軽減が必ずみられるので、その後入院として、経過をみるようにしていたので問題はありませんでした。 クリニックでは、まずそういった重症患者さんが来られることはないのですが、病態を余計に悪くするよりも初期治療をしっかりとして、大病院に急いで搬送するのがいい、と思っています。

ちなみに喘息の発作が強くでている方に、ステロイドだけの点滴をするのは全くのナンセンスです。 効いてくるのは30−60分後です。 同時に気管支拡張薬を点滴しないと、症状はとれません。 これは呼吸器というか内科の基本です。

「咳喘息」という概念は日本と中国が主流であり、米国ではそもそもそういった疾患の概念が、CHSに含まれるような記述がある。
長引く風邪には、喘息、好酸球性気管支炎、鼻炎、逆流性食道炎の4つがメインとされているも、どれも当てはまらない点があると、CHSを考える必要があるとされています。

咳喘息と同じく、吸入ステロイドが有効であるかどうか、が重要で、短期間の内服のステロイドも推奨されています。

私自身は、気管支炎を起こした後に、長引く咳(咳嗽)に対しては、抗ヒスタミン薬(アレルギーの薬です)と、気管支拡張作用を持った喘息に効くステロイドが入った(血液中にはほぼ移行しません)吸入薬、あとは咳、はつらい症状なので、咳止め(と痰切り)を処方するようにしています。

あとは喫煙歴などから、慢性閉塞性肺疾患、要は肺気腫、の存在がもともとあった可能性なども考えます。

まずは症状をとめないといけない、という原点で、その治療をしながら原因を特定していきます。 医師にとって、その場しのぎは許されない、と思っています。 (これは他の職業でも同じだと思います。 偉そうに医師だけ、といって不快にさせる文章になっていたら申し訳ありません。 どんな職業の方でもプライドをもって職務に全うしている、と思う性善説で私は思っていますが、そうでもない会社があるのは事実です。 医師でもそんな人がいます)

残念ながら私は7年間、眼底鏡を使ってないので、鼻腔鏡、耳腔鏡のみしか使えません。

お金はかかりません。 聴診器を使うような感覚です。 鼻風邪かアレルギー性鼻炎かの鑑別に有用ですし、耳の腫瘍を9月には指摘でき、紹介して手術予定となっている方もいます。

私の専門は循環器と消化器内科です。 その中でも、誰にもまけない、と勉強をして、研鑽もしているのが、心エコーと心臓リハビリ、腹部エコー(私が膵臓の見逃しを防ぐ方法を7年前にfacebookで載せていたら、今現在そいういったものが標準装備されている機器もあります(別に私の投稿を見たわけではないと思いますが、当時は膵臓専門の医師も思いつかなかった方法です))、そして胃カメラです。

しかし、かかりつけ医として、それだけで患者さんを見えるわけはありません。 心エコーが専門といっても、急性心筋梗塞を医師一人で何度も対応した経験などがないと緊急に弱い医師になっていたでしょう。 さらに、耳が痛い、という患者さんに、「耳鼻科に行ってください」は正しいようで、私の中では間違いだと思っています。 まずは自分でみて、どういう状態なのかをみてから紹介する、のが正解だと思っています。

昔の医師はそれこそ万能で、さらに自分の得意分野を持っています。 私はそれを目指して、今の医師が「自分の専門外はみない」ということをせず、専門医とともに研鑽して、万能タイプを目指すことを試みた結果です。
そのためには、その病院で最も優れた技能をもっていないといけません。 それが私にとっては「心エコー」だった、というわけです。 何かその大病院で最も優れた技能、技術を持っていないと、それを軸に万能タイプに今の時代なりたくてもなれない、というのが私の持論です。

海外でしか売っていない、ラミプリルという心臓保護座用にすぐれた薬があります。 持続時間もながく、それに匹敵するのが、日本で発売されている、ミカルディスだからです。 また、持続時間でいうと、レニベース、アバプロ、アジルバ、と続きます。 それ以外は、ほぼ有効持続時間はありません。 私がディオバンを使わないのはそれらの薬の1/3しか(有効な)持続時間ががないからです。 ちなみに、誤嚥性肺炎で使用するタナトリル も1/3しか有効持続時間はありませんが、心保護効果を狙って使用するわけではないので、使うことがあります。

こういった情報は英文の比較した論文でわかることですが、使い慣れた薬を使う医師の経験も重要だとは思います。

ただ、今更、心保護効果が優れてない、とされる薬をいくら使い慣れているから、といって、意味もなく(意味や理屈があればいいと思いますが)使用するのはどうかと思います。

今では、心臓の動きによって、心不全を起こした時などに、ガイドラインで様々な呼び方がありますが、この、mildly DCMというものはガイドラインには乗っていませんが、論文は多数あり、その原因も様々とされています。 mildというのは、軽症、軽度という意味です。 DCMとは拡張型心筋症の略語です。

DCMだけだと、相当心臓は大きくて全く動かない心臓のことを、想像する医師が多いと思いますが、きちんと論文を読んでいれば、少し心臓が大きくて、少し動きが悪い、という症例に数多く出会うことがあります。 そういった心臓に対して、闇雲にカテーテル検査、危険を伴う心筋生検、高額な採血検査をすることが、いつも正しいわけではありません。 もちろん、可能性があれば確実な原因を突き止めるために検査をしてもいいと思いますが、危険因子が全くなく、「経験」上、心筋生検をすると、「ウイルス性心筋炎のあとなのだろう」ということがわかるようになります。 もちろんそれ以外の自然と原因なく、拡張型心筋症が軽症ですんだ、という場合もあります。 要は経過をみることが大事ですが、何もせず様子をみる、は最悪の一手です。 それならきちんと検査を強く進めるべきでしょう。 私の場合は、冠動脈に異常はなさそうで、心臓サルコイドーシス、高血圧性心臓病の成れの果て、心ファブリー病などの代謝疾患などが否定的であれば、心保護作用のある薬剤を飲んでもらって、経過をみます。 (その経過をみるときに私は、心エコー図検査の料金をとらない場合もあります)
紹介先の大病院で「無投薬で経過をみます」とされた少年が、経過もみられず、当院に来院される場合もあり、紹介先の病院が悪いのではなく、紹介先の医師によってその人の一生が変わる、という自覚がない医師なのだな、と思うことがあります。 これは自分がされたら嫌だな、と医学の知識をもって思うことです。 なので、その医師がある分野で有名でも紹介は絶対にしません。 同じ大病院でも違う医師に紹介することいしています。 自分が紹介されるなら、という考えをもたないと、医師という職業という以前に、人間的に間違っている、と私は思うからです。