先日、アダラートLという薬を絶対に使わない、という意見がありました。

理由は「ガイドラインに血圧はゆっくり下げるように」だからだそうです。
ならば、後負荷不整合による心不全に対して、静脈注射で血圧を下げないといけない場合や、その方の心臓が後負荷に非常に弱い場合は準緊急に血圧を下げないと心不全を招いてしまうということになぜ気づかないのだろうと思います。

これは考え方の違いなのかもしれませんが、救急をしていて、慢性的な高血圧に対して、RAS抑制薬がいいというのは、誰でもわかることですが、救急の場においてはそれがベストであるはずはありません。

7日で血圧を10くらい下げる、という気持ちで投薬する場合と、12時間で血圧を元に戻すという場合と、1秒でも早く血圧を下げないと命に関わる、という場面に出くわしたことがない、最悪の場合を想定してないといけない、と思います。

中性脂肪、血糖、(まずは安全な領域にした)血圧は有酸素運動でさがるでしょう。

しかし、悪玉コレステロールは下がらない、というか、アスリート並みの運動をしないと下がりません。

ちなみに善玉コレステロールを上げるには、禁煙、EPA/DHA製剤の内服と、運動がいいとはされています。

さて、アスリート並みの運動にも、筋肉を肥大させる運動と、マラソンのような運動があります。

筋肉を肥大させるような運動では尿酸値が高くなる傾向が報告されています。

私の先輩医師は内科でもマイナーな部分を担当していて、昔からよく助けてもらっていました。

非常に物知りな先生であり、人間力があります。

医師は医学のことしかしらない、と思われる人も多いと思いますが、実は意外と趣味が多い医師もいます。

逆に趣味が多い人の方が多いような気がします。

最近の最新の近代的な最高の望遠鏡では、月においた10円玉がみえるそうです。

人間のゲノムなどが分かって来ているなが、地球外にも人間の叡智は進んでいるだな、と思ったものです。

 

よくプロ野球では、長嶋監督の勘ピューター、と野村監督のID野球が比較された時代があると思います。

私は、経験からくる直感も重要視していますが、医学では「理屈」「理論」「データ」が基本だと思っています。

英会話で、留学前に「check it out」を「チェキラゥ」という意味が分からなかったのですが、きちんとした理屈があって、母音に挟まれた「T」は「ら」になる、とか、最後の「 T」は省略可能、などです。

あとは行ってみて、「ハァッドゥッ?」と聞いてくる(挨拶してくる)人がいましたが、全く分からなかったので、なんと言っているのか聞いてみました。 「How are you doing?」調子はどうですか? ということでした。

これは、日本語では、「チョリース」みたいな感じで、理屈じゃない、という感じです。 経験しないとわかないことです。

患者さんの立場に立って、今の私の医学の知識からすると、

ディオバン(バルサルタン)という薬は、長い時間効果がないので、夜の血圧が低い人には使うが現在はあまり使わない

アテレック(シルニジピン)はアムロジン(アムロジピン)の2/3の強さである。

スーグラ(糖尿病の薬) は使われたら病院、クリニックを変えた方が絶対にいい(現時点)

心不全にエビデンス(論文)が豊富なのは、レニベース、ミカルディス、ブロプレスである。 腎機能に関してはアバプロもいい。 タナトリル は咳がでにくいし、誤嚥したときは咳をだすようにする薬である。 などです。 これらは医師の好みもあるのですが、今更、エースコールやディオバンで心機能をよくしようとするのはあまりよくない、と思います。

 

 

これは、医療関係者用、と思われるかもしれません。 しかし、私自身、医者でなければ「身内が主治医にこういわれたけど、どうしたら、、、」と思うので、そういった方へ向けて書いている、と思っていただければ幸いです。

ラシックスという強力かつ日常でも通常使われる「ループ利尿剤」があり、体にたまった水を出すときに使います。 使い続けないといけない方もおられます。 「ループ利尿薬」は、水と同時にNa(ナトリーム)だけでなく、K(カリーム)も排出(尿で)してしまうので、マイナスイオン負荷である、Kが排出される代わりに、プラスイオン負荷である、Hが同時に排出されるため、体がアルカローシスになってしまいます。 さて、日常体内では体を中性に保つため、呼吸をすることで肺、つまり鼻・口から二酸化炭素をだして、アシドーシスになった体を中性にたもっているのですが、人工的にアルカローシスになってしまうと、呼吸をするのを人間はやめてしまい、人工呼吸器の呼吸に頼ってしまいます。 どういう方がそうなりやすいのか? それは二酸化炭素濃度で呼吸をしている肺が悪くない人ではなく、酸素濃度で呼吸をしている、慢性閉塞性肺疾患の方です。
「心不全で治療をしているけども、肺うっ血(肺に水が溜まっていること)は良くなったけども、もともとの肺の機能が悪いので管を除けると自発呼吸ができない状態です」

という説明(私はちなみにこういった説明をしたことがありません)があれば、こう言ってみてください。

「先生、ダイアモックスは使ってくださったのでしょうか?」、と。

循環器内科医や呼吸器内科医でもあまり心不全治療につかった経験をもつ医師は少なく、四国こどもとおとなの医療センターでは私が呼吸器内科専門医と一緒に超少量から使用し、その薬理作用から体をアシドーシス傾向にすることで、自発呼吸を促すことができます。 もちろん何百例もの使用経験はありませんし、そういった使用方法は「試しにやってみよう」という思いつきだけでしてはならない医療行為であり、呼吸器専門医との連携のもと使用し、自分自身一人でその調節ができる、というのが「経験」となりますので、おそらく聞かれた医師も「そういったことはしてませんし、あまりおすすめできません」と言われるかもしれません。 いろんな事情から使って経験がある医師でもしない方がいい、という返事かもしれませんが、言う価値はあると思います。